愚考

タクシーと救急車

異様なものを見た。「救急車有料化」と大きく書かれたポスターである。「日本維新の会」と書かれているので、選挙ポスターなのだろう。「ER救命医師」とも書いてある。調べたところ、この人は今回の衆院選で希望の党から出馬し、落選したようだ。一方で、最…

浅間山荘と児童虐待──漫画『刻刻』について──

数年前、風邪で寝込んでいるときに、当時話題になっていた『刻刻』(こっこく)という漫画をまとめて読みました*1。読み始めたら確かに設定が凝っていて引き込まれました。面白かったです。しかし、読み終えて、やはり本筋と違うところで違和感が残った。ま…

パット・メセニーと政治、その他

こんなものジャズじゃない! 大学生のころ、開局したばかりのJ-WAVEをよく聴いていて、そこでパット・メセニー・グループの曲がしょちゅうかかっていたのだが、好きになれなかった。ジャズと言えばフォービート、という凝り固まったリスナーだったのだので、…

○○に政治を持ち込むな

最近、「音楽に政治を持ち込むな」論争というものがあったそうだが、サルトルは、1952年の「共産主義者と平和」という論文で「労働運動に政治を持ち込むな」という主張を批判している。それについて去年「革命的サンディカリスムとサルトルの思想」という論…

WAR IS OVER

久しぶりにはてなにログインしてダイアリーの下書き一覧を見ていたら、2010年に下書きを書きかけて結局公開しないままになってしまっていた記事があったので、一部を公開します。 - 20年ほど前のことです。「西側」メディアは、冷戦の終結を寿ぎ、うかれさわ…

「偽装」と「ねらい」

「被害者」と「加害者」 「仮放免者の会」のブログで、「難民偽装問題」をめぐる読売新聞での報道の問題点についての記事が連載されています。 第1回 http://praj-praj.blogspot.jp/2015/05/blog-post.html 第2回 http://praj-praj.blogspot.jp/2015/05/blog…

「平和国家 日本」という妄想

「憲法9条にノーベル賞を」運動に賛同する議員に改憲主義者がいる、という話についての↓の記事 付け加えるならば、日本人の「平和国家 日本」という妄想が右も左も関係なく成立しうることの証左でもあるんではないでしょうか。 安倍さんたちがのどから手が出…

ハーバード微温教室・これからも「正義」のウソをつこう

facebookでとても面白いイラストが紹介されていました。これです。 左は「平等equality」で、右が「正義justice」です。 左の「平等」は、つまりこういうことです。「みんなに平等に一個ずつの箱じゃないか」というわけです。しかし、そんな「平等」が、ニセ…

いわゆる「高校無償化」からの朝鮮学校の排除に反対するパブリックコメント

現在、朝鮮学校は、「高校無償化」から排除されていますが、それは「無償化」に関わる法をどう解釈しても正当化できないもので、つまりそれは「不当」な差別的行為であると同時に、明らかに「不法」な行為でもあります。ところが、政府は、この不当で不法な…

十年一日

10年前、呉智英氏の『はだしのゲン』解説について書きました。 (呉)氏は「長年、『はだしのゲン』を愛読し、そのすばらしさをあちこちに書き、大学でマンガ論の講義のテキストとして使っている」そうなのですが、同時に、『はだしのゲン』の評価がある「定…

生活保護は増えてないし、もっと大事なことは増えて何が悪い、ということ

東京新聞の記事。全体としては、生活保護見直し議論に対して批判的な論調ではある。 「生活保護水準の原則一割カット」を言っている自民党をはじめとする、各党の公約の比較もしている。 自民党は「手当より仕事」を基本にし、生活保護水準の原則一割カット…

『鋼の錬金術師』について

だいぶ前に5巻あたりまで読みながら中断していたのを、最近一気に最終巻まで通読しました。忘れないうちに簡単にいくつか書いておきたいことがあります。 まず、なんで5巻あたりで中断したのか、という理由ですが…。「イシュヴァール」という設定に、微妙に…

「12.4 黒い彗星★国際連帯声明」について

このブログでも少し書きましたが、2009年12月4日、在特会(在日特権を許さない市民の会)という団体が京都の朝鮮学校を襲撃しました。しかしこの事件はマスコミで大きく取り上げられることもなく、多くの人は無関心でした。その一年後、2010年の12月4日、こ…

すばらしい民主主義国家ニッポン──議論があるっていいことだ!

「死刑反対派」であったはずの法務大臣が死刑執行を行いました。その際、このような発言をしたそうです。 記者会見した千葉法相は執行に立ち会ったことを明らかにし「あらためて死刑について深く考えさせられた」と述べた。その上で「国民的な議論の契機にし…

自由

今日見かけた「週間スパ!」の車内つり広告にあった見出し。 「日本も協力しろ!」。政府の捕鯨禁止基準にもかまわず、鯨&イルカに舌鼓を打つフリーダムな韓国の人々に迫る http://spa.fusosha.co.jp/weekly/weekly00011347.php この雑誌だけではありません…

小学校襲撃について(コメント欄での返答)

前回の記事http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20091218/p1のコメント欄での、ululunさんのコメントへの返答を、再掲します。不十分なものであり、また知っている人にとってはいまさらなことなのだと思いますが。 - 「私が地面に小さな丸を描いて」と書いたのは…

小学校襲撃事件について

12月4日、京都のある小学校の校門の前に大勢の男たちがおしかけ、「門をあけろ」と騒ぎたてました。彼らは、拡声器を学校に向けて罵声をあびせかけ、この学校の設置していたスピーカーのコードを切り、それを、朝礼台とともに、門に向かって投げつけたという…

リーガル・ハイ・レッド・センター

246表現者会議が、NIKEパークの設計をひきうけた建築家ユニットアトリエ・ワンにたいして、公開質問状を発表しました(今日が回答期限です)。 http://kaigi246.exblog.jp/10349071/ 質問は10項目ありますが、10番目の項目が面白いです。 10) ナイキ本社…

「もってのほか(笑)」的な「柔軟さ」?

へー知らなかった。食用菊の品種に「もってのほか」というのがあって、それは、「菊のご紋を食べるなんてもってのほか」てところからついた名前だという説があるとか。 しかし、「もってのほか」とかいいながらつまり結局食べちゃっているわけで、つまりこれ…

やわらかきゃいいってもんじゃないだろが

先週の日曜日、http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20090925/p1で書いたデモに行ってきました。 これは、「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」主催の、「渋谷の宮下公園のナイキ化と、公園からの野宿者排除反対」のデモです。 ところで、おなじ日に、…

プラネテスのポリティカ その3

先日の「プラネテスのポリティカ その2」というエントリーには、ブックマークやコメント欄で多くのコメントをいただきました。そのほとんどが「ロックスミス問題」についてのものでした。というわけで、いくつかのコメントについてもう少し答えたいこと、と…

『プラネテス』のポリティカ その2

注意!ネタバレあり! 幸村誠(ゆきむら・まこと)のマンガ『プラネテス』(講談社モーニングKC)について、むかし記事をかきました。 『プラネテス』のポリティカ その1 - 猿虎日記(さるとらにっき) よくやるのですが、「つづく」としたまま放置。きが…

エクアドルの裁判は悪い裁判

たまに夜中にやっているCBSドキュメントという番組をみるのですが、先日やっていたのは、エクアドルの先住民が、環境汚染問題でアメリカの巨大企業シェブロンを訴えている、という話でした。シェブロンは、水俣のチッソとおなじように、終始責任のがれを…

諸星大二郎「コルベス様」

※諸星大二郎について二年ぐらい前に書きかけて放置していたのを発掘して載せます。

諸星大二郎『西遊妖猿伝』

最近漫画についての話題はだいたい、諸星大二郎になってしまっていますが、とにかく最近の諸星氏が非常に多産であるからどうしてもそうなってしまいます。

勇気をもらいました

草磲剛(くさなぎ・つよし)さんの逮捕・家宅捜索ですが、ひどいですね。もちろん警察が。令状を出した裁判所も。 警察発表の尻馬にのって、くさなぎさんをバッシングしている人、マスコミがひどいのはいうまでもありません。「逮捕は避けられなかった」とか…

Web評論誌「コーラ」07号

Web評論誌「コーラ」07号http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/index.html に「吸血鬼はフランツ・ファノンの夢を見るか──「怪物」のユートピアと「人間」のナルシシズム──」という拙論が掲載されました。http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/rinri-7…

政治のない世界

いわば彼らは、何かどこかに「政治」という場所があり、そこに近づかないようにすることで「非政治的」になれると考えているようだ。 http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20090203/p1 というのを読んで思い出したのですが、今年の正月、実家に帰って、元日の朝、…

「壁の時代」の後で/中で

今から20年前の1989年11月、東西ベルリンを隔てていた「ベルリンの壁」が崩壊しました。実際にこれが歴史的な事件であったことは事実ですが、「西」側のメディアは、この「壁の崩壊」という事件を、「社会主義の崩壊」を象徴する出来事として宣伝しました。…

『日本の論点』がすごいことになっていた

2004年に、旧猿虎日記でもとりあげたのですがhttp://www.geocities.co.jp/CollegeLife/6142/0401.html#22、文藝春秋が出している『日本の論点』という本があります。この本は、毎年出ている、自称「文藝春秋が誇る日本で唯一の年刊論争誌」なのですが、リン…