ドラゴンボール

 今回はいまさらな人にはいまさらな話題です。
 最近、「まんがで学ぶ格差社会問題」が話題になっている。http://ameblo.jp/ossann37/entry-10021256279.html

たくさんあるが、その中のかなりのものが『ドラゴンボール』ネタである。

※最後の二つは違うそうです。コメント欄参照。

 面白いんだけども……実は私的には読んでいてどうしても隔靴掻痒的な感じがするのは、私が元ネタを知らないからである。ドラゴンボール、ほとんど読んだことがないし、アニメもほとんど見たことがない。しかし、職業柄、若い人々の関心領域を知る機会が多いのだが、知れば知るほど、今の20代(から30代はじめあたり)の人にとって、ドラゴンボールというのがいかにポピュラーな存在なのか、ということがわかるのである。一種この世代の人にとっての文化的基盤なんじゃないかとさえ思えることがある。ドラゴンボール世代というか。なんか私としては、「ドラゴンボール文化圏」という異文化の人と接しているような感じがする。たとえば、この間授業前黒板にこんなのが書いてあった。

 あ、フキダシは私が書いたのだが。そうしたら、書いたヤツが悪乗りして、毎週新しい絵を描くようになってきた。
 
 

 今日は三つぐらい顔があったが、どうやらどれもドラゴンボールらしい。ところが、これが学生たちにすごい評判で、しょっちゅう、(残念ながら授業中にはついぞ見たことがない)目を輝かせた顔の学生が授業後やってきて「これ、先生が書いたんですか!」と言う。いちいち否定するのも疲れてきた。
 あとは、数年前、某学校の論理学の授業で、条件文の例文を書いてもらったら、「スーパーサイヤ人であるならば空が飛べる」というのを書いてくれた人がいて、スーパーサイヤ人が何なのかもよくわからないまま試験か何かの例文に使ったのだが、後でわざわざ「スーパーサイヤ人でも空が飛べないのがいる」とツッコミを入れてくれた学生がいた*1
 なんか、こんなに受けるんだったら、授業のネタに取り入れるために、ドラゴンボールの勉強しといたほうがいいんじゃないか、という気さえ生じかけるのだが、単行本全42巻と聞くとちょっと気持ちがなえる。しかしポイントだけでも抑えといたほうがいいかなー……。何しろ、まったくわからない。フリーザ様とかセルゲームとか言われてもちんぷんかんぷんである。
 といっても、ドラゴンボールは第一巻あたりは読んでいる。その前の『ドクタースランプ』はマンガもかなり好きだったしアニメも見ていたので、ドクタースランプ話ならかなり盛り上がれる自信はある。が、ドラゴンボールは、何かあまり面白いと思えず(絵も下手になったように感じた)、連載開始後すぐに関心を失ってしまった。今調べたら、ドラゴンボールの連載は1984年から1995年らしい。つまり約20年前から約10年前だ。私は84年に浪人で85年に大学入ったので、それもあるかな。そして、約20年前に10歳だった人から約10年前に10歳だった人が20代なのだから、これは私の感覚のドラゴンボール世代と一致する。
 ちなみに、私はガンダムネタにも乗れない。ガンダム世代はドラゴンボール世代より上なんだろうけど、私はガンダムもほとんど見てないから、知り合いのドラマーに「カーラ・ブレイ(ジャズピアニスト)はハマーン・カーンみたいな髪型をしている」というネタを教えてもらったときも、まったくぴんと来ず悲しい思いをした。後でネットで調べたらたしかに似ているかもしれない。彼いわく、ガンダムカーラ・ブレイを知っていればすごく受けること必定のネタなのだそうである。
 もっと上の世代のネタなら乗れる。『宇宙戦艦ヤマト』は、小学校で級友たちが『猿の軍団』を見ている中、初回放送を熱心に見ていた少数派であり、かなり細かいところまで大丈夫だと思う(後に多作された映画版は除く)。松本零士関係は大体大丈夫な気がする。富野なら『イデオン』は大丈夫。『ザブングル』も見ていた。『ダンバイン』とかちょっと見た。富野じゃないけど当時はやっていたものでは、『マクロス』とかはあんまり知らない。初期宮崎も大丈夫。『未来少年コナン』も初回放送を熱心に見ていた。『カリオストロの城』もOK。大人になってからでは、『エヴァ』は一応ちゃんと見たので、大丈夫。……まったくもってだからどうした、て話になってしまった。すんません。

追記

 Jonahさんから

マンガ格差社会、最後の二つはドラゴンボールじゃありません。。。

 というブクマコメントをいただきました。そもそも間違っていたorz しかし、最後のやつはたしかに全然違うけど、最後から二つめのやつは、よくみたら絵柄は違うものの、ぱっと見キャラクターの感じとかそっくりだなあ。類似漫画もいっぱいあったということなのだろう。ということも知らないのである。「マンガ格差社会」というのは面白い表現です。
 で、あの後考えたのですが、ドラゴンボールはもう10年も前に終わっているわけで、今から読んで、たとえば数年後にネタにしても、その時の大学生にはもう受けなくなっているのではないだろうか。ということは、ネタ収集するならば、現在小中学生に流行っているものを読んでおくのが近道なのか……で、それは何なんだろう……。

*1:書いた本人が訂正したのだったかもしれない。