『マンガ日狂組の教室 』

近所の本屋の漫画コーナーを見ていたら、曙機関 (著)『漫画 アブナイ!中国』(宝島社、¥1,000)と、大和 撫吉 (著)『マンガ日狂組の教室』(晋遊舎、¥1,000)という本を見つけた。『マンガ日狂組の教室』の方は、オビや表紙に中身の抜粋が載っていて、だいたいの内容はわかった。なかなか面白そうだったが、買わなかった。誰か(id:seijotcpさんとか?)がそのうち紹介するのかもしれないけど(と思ったら出たのは今年の4月らしいのではげしくいまさらなのね……)amazonで立ち読みできる箇所のセリフをおこしてみた。画像が小さすぎて一部読めないけど、まあだいたいこんな感じ。
まず表紙より。

女性教師(後ででてくるが福山みずき)「さあ皆さん!教科書はしまって!地図帳もいりません!各クラスの委員長はプリントを取りに来てください」
(セリフは読み取れないが当惑する生徒の顔)
(プリントの文字)「真実の歴史 日中戦争

(日の丸を引き裂く「洗脳」された?生徒。それを見て、生徒のセリフ)
「こっ、国旗を!?」「なんてひどい!」
(女性教師が「カッカッ」とハイヒールを鳴らして登場。)
「「日の丸」の赤は──日本の侵略者に殺された、アジアの民衆の血の色──!!」
(女性教師の顔の下に「福山みずき 2−A担任 社会科教師」の文字)

(目が血走った「洗脳」された生徒たちが唱和する)
「そうだっ!俺たちも見つめよう……」
「真実の過去を!!」
「そして謝ろう……キム・ミヒさんにっ!!」
「日本人が差別して申し訳ありませんでした」
「オレ達のじいさん達が、君のおじいさんを強制連行してゴメンなさい」

スク水を着た、おかっぱにメガネの女性教師「ギャアアアス!」という擬音?とともに登場。)
「D組の諸君にはっ!正しい「ジェンダー」についての学習が必要なようだな!!」
(驚く生徒たち)
「たっ…但馬!?」「…先生…」
「水泳の授業は中止!!社会ジェンダー授業に変更するッ!!」
「各クラスの委員長は体育準備室までプリントを取りに行って!!」
(プリントの文字)「男女共同参画社会をめざして つくられた性──ジェンダーからの解放」
(それをみて「はあああ?」とあきれる生徒の顔)
ボーヴォワールの有名な著書にある──「女は女に生まれるのではない、女になるのだ!!」
(叫ぶ女性教師の顔の下に「但馬京子 体育教師 女性解放論者」の文字。)

あと背表紙にはこのようなコマもあった。

(叫ぶ但馬)「私がジェンダーフリーに身を投じたのは!!淋しかった青春時代に復讐するため!!」

ま、こういう「敵」を揶揄する悪乗り表現自体はサヨクでもよくやるわけなんだけど、ただ、amazonのレビューを見ると、絶賛するものか、「内容は正しいのに漫画表現がよくないので残念だ」というものかのどちらかで、描かれている内容のでたらめさについて批判するものは一つもなかった(笑)。
それにしても面白いのは、福島みずほ田嶋陽子というのは、ネトウヨ的な人にとって、とても存在感があるんだなあ、てこと。アンチサヨクとアンチフェミの人にとっての、敵の象徴となった、ということで歴史に名を残すね、この二人は。
それから、こんなページもあるのだが、前後が読めないとはいえ、これはほとんど意味不明。

(目が血走った中年男性教師の叫び)
「黙れェ!!主体思想はッ、すでにマルクス主義すらも超克した地球最高の思想体系だッ!!それを学ぶことのどこが悪い!!何の問題がある!?」
「見えんのか……聞こえんのか!?地球の悲鳴が」
「環境破壊!!地球温暖化!!気象異常!!」
「大資本家のハイエナ共と、喰われるために太るだけの農民にまかせていては、いつかこの星は滅びる!!」

??何で主体思想エコロジーみたいなものがつながるのだろうか??
http://d.hatena.ne.jp/inumash/20070407/p2でもとりあげられていたけど、最近、サヨクエコロジーみたいなイメージがあるんだろうな。http://akaboshi.exblog.jp/7114653/で、太田光氏の番組に出た赤星たみこ氏のとまどいが書かれているけど、とにかく、脳内単純エコロジストみたいなのを論破?して、サヨク全体を論破したつもりになる、ていうパターンは非常に多いようだ。まあある意味、それだけ、「革命」的なサヨクの存在感が薄い、てことなんだろうけど。
というわけで、『マンガ日狂組の教室』、amazonで見られる内容紹介にはこうある。

今、学校が危ない! 日教組(日本教職員組合)が引き起こして
いる「教育テロ」の実態がマンガでわかる!!
◇あらすじ
瀬良中学に転校してきた村上宏一は始業式で驚くべき光景を目にする。そこで
は、君が代の斉唱を拒否して日の丸を引き裂く過激な教師や生徒たちが学校全体
を牛耳っていた。彼らは我が物顔で自虐的な歴史教育、行き過ぎた性教育、ジェ
ンダーフリー思想を子どもたちに押し付けていた。そんな状況を打ち破るべく、
新任教師の桜井旭が立ち上がった。彼は校内にはびこる偏向教師たちを次々に論
破して、子どもたちを惑わせる諸悪の根源に迫る。果たして、偏向教育の背後に
潜む黒幕とは? 子どもも親も知らなかった教育界最大のタブーに、真っ向から
斬り込む野心作がついに登場! 教室で起こっている"教育テロ"の実態を暴く!!
◇マンガ本編
 ◆一限目 荒れる始業式 ----「日の丸・君が代」問題
 ◆二限目 サヨク教師の「特別平和授業」---- 偏向歴史教育
 ◆三限目 セックス革命 ---- ジェンダーフリー性教育
 ◆四限目 「教育テロ」集団 ---- 日教組の正体
◇キーワード解説
◇コラム
 ◆日の丸・君が代を否定して国家解体を夢見る日教組教員のトンデモ事件簿!
 松浦光修
 ◆日本の過去にこだわり続ける特定アジア諸国の反日外交! それを後押しする日教組! 野村旗守
 ◆日本中で猛威をふるうジェンダーフリーの嵐はまだまだ止まらない! 千葉展正
 ◆マルクス主義固執する時代錯誤の革命集団・日教組はこれからどこへ向かうのか? 八木秀次

と、いうことらしい。