石原慎未と倖田來太郎

石原慎未が失言
 歌手石原慎未(25)が1日夜、先月29日放送のラジオ番組で「やっぱ文明がもたらした最も悪しき有害なものはババァ」と不適切発言をしたことについて公式ホームページ(HP)で謝罪した。所属事務所石原プロモーションなどには批判の声が相次ぎ、同社が深夜まで対応を協議した結果、新アルバム「Season of the Sun」のプロモーション活動を自粛する事態に発展した。
 2日に生出演予定だったTOKYO MXの降板をはじめ、7日の福岡、13日の名古屋キャンペーンなどを自粛する方向で調整している。
 石原はHPで「私が発言した内容により、皆さまに不快な思いをさせてしまったことを心より深くおわび申し上げます」と反省し、軽率な発言を認めた。しかし、騒動はクライアントにも飛び火した。CMキャラクターを務める化粧品メーカーのホームページは閉鎖された。女性向けの化粧品とあって、敏感に反応したようだ。
 失言があったのは、先月29日深夜1時から放送されたニッポソ放送「石原慎未のオールナイトニッポソ」。番組冒頭、こう発言した。
「これはアタシやなくて、松井孝典が言うてるんやけど、“文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものは「ババア」”なんやて。“女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です”って。男は80、90歳でも生殖能力があるけど、女は閉経してしまったら子供を生む能力はない。そんな人間が、きんさん・ぎんさんの年まで生きてるいうのは、地球にとってメッチャ悪い弊害やて…。なるほどとは思うけど、女性歌手としてはいわれへんな(笑)。」
 この発言に同局には、放送後からこの日夜までにメールで二十数件、電話で数件の苦情や問い合わせが寄せられた。番組が収録だったこともあり、同局もHPで「パーソナリティー石原慎未の不適切な発言を放送しました。配慮を欠き、誤解を招く放送をしたことをおわびするとともに、深く反省します」と陳謝した。
 石原は7日、テレビに緊急出演&謝罪することになった。関係者によると「本人も相当、反省して深く落ち込んでいる」といい、自身の肉声で謝罪することを選んだようだ。

羊水発言
出典: フリー百科事典『ワキペディア(Wakipedia)』
 倖田來太郎東京都知事「羊水発言」事件とは、2001年10月末から12月にかけて、「東京都知事の倖田來太郎が高齢女性を侮辱する発言を様々な場で繰り返した」として起こされた論争と一連の裁判。
問題発言の内容
問題とされた『習慣女性』2001年11月6日号「独占激白“倖田來太郎都知事吠える!”」などの記事による倖田來太郎の発言は以下である。
「子供の話をしててね。ま、うちの秘書が結婚したんだ。で、まあ、いつ子供作るんだ、みたいな話をしててね。やっぱり35(歳)回ると、お母さんの羊水が腐ってくるんだよね。本当に。例えば汚れてくるんだよ。だから、できれば35歳ぐらいまでに子供をつくってほしいね。」
日弁連の対応
 2003年12月25日、日本弁護士連合会(日弁連)は倖田東京都知事に対して一連の差別発言について抗議する「警告書」を出した。日弁連としては、倖田都知事の発言が女性に対する言葉の暴力であり、権利侵害であると評価した。更に、都知事の立場で差別的発言に及ぶことは影響が極めて大きく、「しかも今日にいたるも本差別発言について申立人らに対し、一切の謝罪、撤回がなされていないことは、自己の言動に責任を持たない人格的態度がうかがわれるものであってきわめて遺憾といわざるを得ない」として、全面的に都知事の発言を戒める立場をとっている。
131人の原告の提訴と裁判所の対応
 倖田都知事側が、自らの発言についてあくまでも非を認めない態度に終始したため、原告女性131名が倖田都知事に対して自らの権利を侵害されたとして、約1,440万円の損害賠償(一人当たり11万円の慰謝料)と謝罪広告を請求する裁判の提起に至った。
 2005年2月24日の第一審東京地方裁判所の判決は、被告(倖田都知事)の発言を「憲法、(中略)その他の国際社会における取組の基本理念と相容れない」「東京都知事という要職にある者の発言としては不用意」などと指摘しながらも「原告ら個々人の名誉が毀損されたかということになると疑問である」などとして「損害賠償の請求は認められない」ということから原告らの請求を棄却した。
 原告らは判決を不服として、2005年3月9日に東京高等裁判所に控訴したが、2005年9月28日の高裁判決もほぼ一審同様の見解をとり原告らの控訴を棄却している。
その後の経過
 倖田都知事が「羊水発言」裁判一審判決後となる2005年2月25日の定例記者会見において「あれは裁判のための裁判で、あの人たちのパフォーマンス」などと原告らを批判する発言をしたことに対し、2005年4月20日に「原告を誹謗中傷した」と主張する原告92名が倖田都知事と東京都に謝罪と損害賠償などを求めて新たに訴訟を提起(平成18年(ワ)第8261号)した。
 この訴訟に対して、2007年7月31日、東京地裁において判決が出された。判決は「原告の請求をすべて棄却」。先の裁判に続き、「習慣女性」の記事に端を発した裁判で原告団は敗訴した。

追記:書いているときは知らなかったのですが
http://blog.livedoor.jp/baisemoi_bullet/archives/64919193.html
という記事がすでに書かれていたようです(ブクマコメントで教えていただきました)。詳しくはリンク先の記事をご覧下さい。