ディエゴ・ガルシア

 昨年末、米国の平和団体IACが伝え、すでに様々なところで話題となっていますが、アメリカ政府は、津波の危険性をいち早く察知しながら、インド洋の米海軍基地には津波警報を送ったものの、インド洋各国の政府には警告していなかった、といいます。*1いや、送ったのだが各国政府が真剣に受け止めなかったのだ、などという説もあるようですが、私は、程度の差はあれ、米国が何万人のアジア人の人命よりも、基地の保護を優先させるということは、まったくありうることだと思います。それはいままでアメリカがずっとやってきたことなのだから。

 問題の米海軍基地は、インド洋上の孤島、英領ディエゴ・ガルシア島にあります。1960年代、ここに米軍基地が建設され、それに伴い、周辺のチャゴス諸島の住民がイギリス政府によって強制的に移住させられてしまいました。移住先に適応できなかった住民達がイギリス政府に対して訴訟を起こし、2000年、高等法院はイギリス政府の強制移住は違法であるとの判決を下しました。しかし、住民帰還を認めないようにとの米政府の英政府への強力な圧力などがあり、この問題は未だに解決していないようです。
http://www.nifty.com/keyman/takagi/takagi_colum_031009.htm
http://www.cosmos.ne.jp/~miyagawa/nagocnet/data/diegogarcia1.html
 ちなみに、イラク戦争の際には、この基地から出動したB−2ステルス爆撃機やB−52爆撃機が、イラクでの空爆を行い、イラク人の殺戮を行っています。