アチェ

 もう一つ、震源に近いインドネシアアチェ州では、死者数9万4000 人(州人口は400万人)*1という莫大な被害が出ています。また50万人以上にのぼる被災者が過酷な生活を余儀なくされています。
 アチェでは70年代半ばから、インドネシアからの独立運動が展開されてきましたが*2インドネシア国軍による自由アチェ運動GAM)に対する軍事作戦は、地震被害後の現在も続いているというのです。また、インドネシア国軍は災害援助を妨害し、救援に深刻な影響が出ているともいいます。
 この戦争の背景には天然ガスがあります。天然ガス工場のために土地を追い出された人々が立ち上がったのが、アチェ独立運動だというのです。そして、インドネシア天然ガスの大部分は、日本に輸出されているのです。つまり、この戦争は(この戦争も)、私たちと大いに関係があるのです。

 独立運動の背景として、アチェ天然ガスの存在が指摘されています。外国援助や資本を受けて天然ガスが開発されることで、アチェの人びとは住んでいた土地、生活の糧を得ていた海や川や森を奪われました。さらに、外国援助や資本を守るという名目で、天然ガス工場側は国軍に「警護料」を支払っています。いまも、日本のODA(政府開発援助)で建設された天然ガス精製工場には、「拷問センター」として悪名高い国軍のキャンプがあります。アチェ天然ガスの大部分は、日本に輸出されています。わたしたちはODA を通じて、電気使用を通じて、人権侵害に荷担してしまっているのです。
http://www.nindja.com/aceh.html

NINDJA:インドネシア民主化支援ネットワーク(http://www.nindja.com

*1:この数はさらに増える見込みといいます

*2:インドネシア政府の軍事作戦によって、数万人といわれる一般市民が殺害、誘拐されたといいます。