返却

 チャイムが鳴るので出たら、郵便局で、料金不足の郵便だ、と言う。ちらっとみたら、いつもの、落選した公募の書類の返却だ(いつもどおりどこのだかもう覚えてないけど)。公募書類を出すときに返却用の封筒を同封するんですが、そこに貼った切手が足りなかったというわけです。ま、しょうがないんだけど、自分の字で宛名を書いて、自分で切手を貼って、自分の論文抜き刷りとかが入った郵便物を、自分で不足料金を払って受け取る、というのは、なかなかに空しいもんですな。で、中を開けてみると、ん? 抜き刷りに、赤いマジックで「50」という文字が書いてある。まさか、中身に点数がつけられているわけではないと思うけど。ていうか、よくある話だけど、どれもまったく折り目がついてないので、中身読まれてないんでしょう(最近は何百と応募があることもめずらしくもないらしいので、論文を読まれる段階にまで行くことがまず大変)。全部に50と書いてあるので、つまりこれは、大量の応募者に書類を返却するとき、誰のだかわからなくなってしまわないように、応募者に番号をつけて管理した、てことなんでしょう。しかしね……こんなでっかく赤い字を書かれたら……次使えないじゃん(怒) 意味ありませんからッ!残念! ていうかこれじゃ返していらん(泣)(せめて鉛筆にしてくれ……)
 ちなみに、公募って何のことか分からない人もいるかもしれないので説明すると、専任の大学教員の採用に関する公募です(私は非常勤掛け持ちだけの人間です)。今は、なかなか厳しい状況にあります(その辺の問題については例えば非常勤講師の悲哀と困難とか。ちょっと大げさに思うかもしれませんが、だいたい事実です)。不採用の通知は、だいたい

残念ながら採用には至りませんでした。末筆ながら貴殿のますますのご発展をお祈りしております。

 みたいなよくある文面の紙が一枚入っているだけなんですが、私は、そういうの捨てちゃうんですが、ある知り合いは、それを全部とってファイルしておいて、くじけそうになったときその分厚い束を見て闘志を新たにする、と言っていました(ちなみに、その人は呪いが通じたのか、今はめでたく専任になってます)。そういう「闘志」にいまいち欠けているところが、私の問題点だというのは、自他共に認めるところなんですが。