納豆菌が凍る

 今日は映画『レイ』を観てきました。これは、レイ・チャールズの伝記映画です。ジャズファンとしてはいろいろ興味深いところがありました。レイ・チャールズというと、ジャズ的ではあるけれど、やはりR&Bの人、というようなイメージがあったのですが、ルーツは思っていたよりジャズだったようです。まず、かなり最初の方で、若きレイが街角でトランペットの練習をする若い黒人の男と出会うシーンがあります。二人は意気投合し、お互いの名前を名乗るのですが、トランペッターが答えた名前は「クインシー・ジョーンズ」です*1。その直後、初めて訪れた店で、急遽舞台の上に上げられたレイが、「みなさん、ナット・キング・コールはお好きですか?」とか言って弾き語りで「ルート66」を演る、というシーンがあります。とにかく最初期のレイは、ナット・キング・コールそっくりのスタイルだったようです。しかし、物まねと批判されることも多かったレイは、その殻を脱ぎ捨て、オリジナリティあふれる曲を発表し始め、スターダムへと駆け上がっていったのでした。あとジャズ関係でいうと、やっぱり最初のころのシーンですが、レイが店に入ると、その夜の出演者の華麗なソロピアノの演奏が聴こえてくる。それを聴いたレイが、うれしそうに「ああ、アート・テイタムだね!あんなすごい人と一緒の店に出演できるなんて!」とか言うシーンもありました(せりふはかなりうろ覚えです)。それから、レイは最初アトランティック社の専属としてスターになっていくのですが、アトランティックといえばジャズファンにはおなじみのあのアトランティックです。
 というわけで、私も、ちんたらスタンダードなどをやっていてはいかん、物まねはいかん、「デューク更家」に続くオリジナルを作ろう、と決意しました。しかもそれは、現代の社会状況を反映した、真に新しいオリジナル曲です。現代の若者の心情を歌ったブルースを作ります。曲名はもちろん「ニート66」です。関係ないですが、レイのバンドのバリトン・サックス奏者(役の人)は、内山信二に似ていた。

*1:後に1961のニューポートジャズフェス会場で二人が再会するシーンもある。