諸星マンガを一通り読んでから宮崎アニメ見ると面白いですよ〜、諸星先生、パヤオにいろいろパクられていて。『もののけ姫』なんか、部分的にまんま諸星の『マッドメン』ですからね〜。
と書いていて、あ〜そうか! と思ったものですが、今回の諸星先生のグリム童話を題材にした短編集、それを知っていたので、思わずにやりとしてしまいました。「Gの日記」とか「トゥルーデおばさん」が「ハウル」ないし「千と千尋」っぽかったりするのはまあ題材からして当然なのかもしれませんが、「鉄のハインリヒ または蛙の王様」なんか、巨神兵登場しちゃってますから! ていうかそのまんま『ナウシカ』ですから。まあこれは明らかに、諸星先生の方からパヤオ氏への返歌(というかナウシカの露骨なパロディー)なのでしょうが。で、内容が同じなので改めて気がついたんですが、宮崎駿の漫画版『ナウシカ』*1の絵って、トーンをほとんどつかわない諸星先生の絵と、線の感じも含めて非常によく似てますね。それもあって「鉄のハインリヒ」は余計漫画版『ナウシカ』に見える。ただ、大きな違いがあって、それは諸星先生の絵の方が相当下手ってこと(笑) いや、単純に下手とは言えないところもあって、人物以外の絵なんか、上手いと感じさせることもある。とにかく不思議な絵ですよね、諸星先生の絵って。
6話めの「いばら姫」は舞台を現代日本にもってきているのですが、それもあって、こちらは絵がへたくそな伊藤潤二、のように見えてしまう。もちろんこの場合も伊藤氏が諸星先生の影響を受けているということなわけですが。
なんかケナしてるみたいですが、諸星ファンは十分楽しめる一冊です。面白かったです。
ただ、グリムのもとの話、知っているはずなのにすっかり忘れているので、後でおさらいしたいと思います。「ブレーメンの楽隊」なんか、もとを知らないとオチがわからないようになってて、いますごくモヤモヤしてます*2。歳とると人の名前を忘れれるだけではなくて有名な話のあらすじとかも忘れてしまうんですね。