ありそうなこと

以前、「高野連の圧力で高校野球の校歌が変えられた(ようだ)」という「日刊ゲンダイ」のニュースを紹介した。
http://d.hatena.ne.jp/zarudora/20070822/1187765002
そしたら、今度は、「プロ市民の圧力で高校野球の応援団の服装が変えられた(ようだ)」という「産経新聞」のニュースが話題になっている。
http://www.asahi.com/national/update/0830/OSK200708300066.html

宇治山田商業の野球部応援団が、学ランと「日の丸」の鉢巻き姿での応援を甲子園で“封印”していたことがわかった。「戦争を想起させる学ランは不適切」との投書がきっかけで、県高野連と同校が協議し、急きょトレーナー姿での応援に変更した。
 関係者によると、同校は7月の三重県大会決勝まで、応援団が黒い詰め襟学ランに「必勝」と書かれた日の丸の鉢巻き姿で応援。このスタイルは昭和53年の第60回選手権大会で甲子園に初出場したときから続けてきた。ところが、今年の県大会決勝後、「学ランはもともと海軍の軍服。高校野球という舞台で戦争を思い起こさせるのは不適切だ」などと指摘した投書が県内の別の高校に届き、県教委が同校に連絡。同校と県高野連が協議し、県高野連が「やめておいた方がいいのでは」と助言し、同校も白地に校名の入ったトレーナー姿に改め、日の丸の鉢巻きも取りやめることを決めたという。
(産経の記事の要旨)

ゲンダイと産経の記事は、どっちも、どうでもいい記事ではあるとは思うのですが、しかし、二つの記事は、ある意味まったく正反対の性格の記事でありながら、記事自体の雰囲気は非常に似通っているということが面白いといえば面白い。つまりどちらも「一部の大人たちによって、高校野球の出場校や高校生が翻弄されている>>>ケシカラン!」という記事であり、どちらも事実関係の確認が不十分で、どちらの記事にも「関係者」が出てくる(笑)そして、問題の中身のほうは、以下のように対照的である。

伝えた新聞 変更前 変更後 圧力かけた人 圧力の内容
日刊ゲンダイ ポップス調校歌 軍歌調校歌 高野連の偉い人? 軍隊的デナイから変えろ
産経新聞 学ラン トレーナー 投書したプロ市民 軍隊的デアルから変えろ

ところで、ゲンダイの記事について、読者である私は、怪しいなあ、と思いはしたものの、高野連がポップス調を変えさせるということ自体は「いかにもありそうなことだ」と納得したわけだ。そのことは、私の前回の記事を読めばわかる。
一方、産経の記事について、読者であるネトウヨ的な人々は、根拠が薄いにもかかわらず、プロ市民がそのような投書をするということ自体は「いかにもありそうなことだ」と納得したわけだ。そのことは、
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1018608.html
を読めばよくわかる。

つまり、何を「ありそうなこと」と考えるか、ということ自体が、人によってぜんぜん違うっていうことなのだよな。当たり前の結論だけど。