NHKとはこんなところ3(いい番組もある)

バランスをとるわけではありませんが、NHKにはいい番組ももちろんあります。
あまり話題になっていないようなので、前からしょうかいしようと思っていたのですが、日曜深夜NHK教育で放送されている「地球データマップ」です(今年の放送はきょねんの再放送です)。あんないやくは、ちょっとミステリアスなかんじのKIKIさんというタレントです。
http://www.nhk.or.jp/datamap/top.html
もちろんNHKですので、かなりぬるい部分も多々ある、といってしまえばそれまでなのですが、グローバル化批判など、視点としてはなかなかいい部分があることは、目次を見てもわかると思います。
ここでは、第8回「平和への地図」のホームページから引用します。

 これは1990年以降に戦争の起きた場所のデータマップです。戦争の多くは、アフリカや西アジアなどの途上国で起きています。
 これに一人あたりの所得の地図を重ねると、現代では経済的に貧しい国で戦争が多発していることが良く分かります。(……)
 ソ連が崩壊し冷戦が終わると、平和な世界がやってくるという期待が高まりました。しかし唯一の超大国となったアメリカは、テロへの報復などを理由に、アフガニスタンイラクなど言うことをきかない国に戦争をしかけるようになりました。また長い間大国のかけひきの舞台とされてきたアフリカ諸国では、資源などをめぐる内戦が泥沼化しています。こうした戦争のほとんどが途上国で起きています。
 こうしてみると、この100年間人類が起こしてきた戦争は、「欧米諸国さらには日本も加わっての、大国どうしのいがみあい」から、「先進国の影響力を背景にしつつ、途上国を舞台にして引き起こされる戦争」へと大きく変わってきたことが見えてきます。(……)
戦争は憎しみから起きると思われがちですが、実は多くの場合、背景に経済や利権など、戦争を起こす「世界のしくみ」があります。そして戦場からはるか遠くに暮らす私たちも、知らないうちにその「しくみ」の一部になっているのです。平和で持続可能な世界をつくるためには、そういう「世界のしくみ」を理解し、どうすればそれを変えていけるかを考える必要があります。(……)
 戦争はどのようにして引き起こされるのか、典型的な例を考えてみましょう。
 たとえば資源や利権、領土などを手に入れるという目的がある場合も、たいていは「相手の攻撃から国を守るため」「ほかの国を助けるため」というような大義名分がかかげられて戦争が正当化されます。そして、「敵」の脅威をあおり、国民が自分の国を大切に思う気持ち(ナショナリズム)を利用することで、「戦争もやむをえない」という世論がつくられていきます。(……)
・ マスコミ
政治家といっしょに、「敵はひどい無法者だ、国を守るためには戦うしかない!」などと、敵意や好戦的な気分をあおりたてる。戦争に反対する人は非国民だという気分をつくる。戦争に疑問をなげかける報道を政府が禁止すると、その傾向はさらにひどくなる。
・大多数の一般国民
政治家やマスコミに、自分の国を大切に思う気持ちを利用され、戦争しなければならない気分になって、戦争反対者をいじめたりする。そして実際に戦争にかりだされて行き、あるいは攻撃を受けたりして、殺されたり殺したりする。(……)

http://www.nhk.or.jp/datamap/08-1.html

これが、前駐米大使加藤の発言をたれながした同じNHKで放送されたというのは、皮肉なものですがね。