『GANTZ:O』

GANTZ:O』を見ました。

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なかなか良かったです。『GANTZ』の映像化では、アニメ版途中までと実写版を観ましたが、その中では一番良かったように思います。原作の漫画については、こちらでもふれていふれています(宣伝)

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デレク・パーフィットの転送機の思考実験とからめて紹介しているというちょっとベタな流れですが。

原作マンガを読んだきっかけは、電車に乗っているときにたまたまとなりに座っていた女性が読んでいるのがちらっと見えて、面白そうだと思ったから。最初の5・6巻ぐらいは引き込まれて一気に読みました。死んだ人間が密室に集められる、というところがサルトルの「出口なし」ぽいし(まあ全体としてサルトルっぽさはほとんどなかったけど)。ただ途中から、なんというか、必然性をあまり感じないホラーシーンの連続で、話も引き伸ばされているような気がして、ちょっと残念な感じがしました*1。そういう意味では、『GANTZ:O』はホラー具合もそこまでではなく(といってもやっぱりグロいですが…)、長さもほどよくて、原作よりも良いかも…。

内容についてはあまり語ることはないのですが、大阪編ということで、大阪チームのセリフが関西弁。アニメの関西弁といえば、鈴原トウジはじめ、微妙というか残念なケースが多々あるわけです。ちなみに私は関西人ではないのですが、親が関西人ということもあり、細かいところはともかく、あまりにおかしな関西アクセントはわかる…つもりです。ところが、この『GANTZ:O』の関西弁はめずらしくまったく違和感がありませんでした。関西出身の声優なのだろうな、と後で調べたら、なんと、関西出身ですが声優ではなく、レイザーラモンHG&RGとケンドーコバヤシでした。しかも演技もうまい。

とはいえ、関西出身の声優なのに関西弁のセリフが不自然、というケースもあるので不思議です。最近では『チェンソーマン』の京都公安の関西弁のセリフが違和感あったので、どうせ関東出身の声優だろう、なぜ関西出身にしないのか、と調べたら、なんと大阪出身と京都出身の声優でした。なぜ…。

*1:あと、どこかでも書きましたが、加藤が助けようとして、結果として玄野と加藤が死ぬきっかけとなった、線路に落ちた男を、わざわざ「ホームレス」にしているところとか、その描写とか(これは実写版では「酔っ払い」に変更されていました)、西の顔をある実在の人物の顔に似せている(らしい)ところとか、ほかにもあるそういうセンスは、正直嫌いです。