フリーダム?

 『週刊アスキー』の青木光恵コーナー、私の日記で何回かとりあげていますが、今回は青木さんが娘さんの授業参観に行った話でした。娘さんの学校は「授業参観ウィーク」という方式で、「決められた一週間の中で都合いい時間に自由に観に行けるようになってる」のだそうです。「子供の普段の様子が見られる」、というわけなのでしょうが、そうやって見ることができた「普段の様子」を見て、青木さんはびっくりします。

ものすごい無法地帯でした……
基本的にあまり話を聞いていません。
先生に何も言わずにトイレに行く。
先生も止めない。つーか出てったの知らんかも。
立ち歩く子あり
おしゃべりしまくり

 これを読んで私はまったく驚きませんでした。なるほどね。私が教えている某大学は、まったくこれと同じ雰囲気です。そうか、小学校からこれに慣れていれば、いわんや大学においてをや(笑)ですねえ。で、青木さんは、この状況に対して

…なんかここ そーゆーことしても全然許されるフンイキですよ……
(……)
私が一年生やったら出ていく自信アリアリ!!
なんちゅ〜かぁ〜 フリーダム? ゆとり教育

 と、書いていらっしゃいますが、うーん……無法地帯化の原因を教師の側の無策に見ているようです。おそらくそう感じる親も多いのでしょうが……。しかし、声を大にしていいたいですが、あの、そう思われるんなら、一回教壇に立ってみて欲しいです。で、おしゃべりの注意とかしてみてはいかがでしょう。おそらく、ちゅんこちゃんの学校の先生も、最初は注意していたはずですよ。たぶん、諦めの境地に達して、今の状態になったのだと思います。いや、だからいいとか、仕方ない、て言いたいわけでもないんですけどね……。
 ところで、『週間エコノミスト』(毎日新聞社)7/20号が、「選ばれる大学」という特集だったので、思わず買ってしまいました。なかなか面白い特集だった。「就職編」「受験編」「改革編」に別れているのですが、まず最初の「就職編」の見出しには、このようにあります「大学の生きる道 強まる『就職予備校化』 でなければ生きていけない」「いまの大学は、『就職』のためにあるようだ。果たして、それが『大学』なのだろうか、とも思う。」その意味では、私が行っている非常勤先の一つの某大学などは、生き残るために必死の「改革」を行っている大学の一つなのだと思います。以前、その大学で、授業中にSPIの内職をする学生がいる、という話を書きましたが id:sarutora:20040704#p2 その謎?が解けました。その某大学では、学校でSPI試験を就職模擬試験的に実施して、全学生に強制的に受けさせているようです。そりゃ学生も内職するわな。
 さて、この特集では、大学の「就職予備校化」の最先端校の例として、多摩大学のとりくみが紹介されています。「就職率は結果であって、目的ではない」と語る中谷巌学長自身が3年前から始めた、一年生の必須科目「自己発見」は、このような授業だそうです。

一学年300人を8人ずつの班に分け、課題を見つけさせる。今年のテーマは「拝啓、石原都知事様」。東京都の抱えている問題点を発見し、改善案を出す。「あくまで自分の価値観の軸がきちっとできた、自立した社会人を育てるのが基本。どんなにうわべの知識を積み上げても、企業の人事部が見たら、すぐに見分けがつく。『この学生はちゃんとしたものを持っている』と感じさせる人間に育てるのはどうしたらいいかがテーマです」
 結果とはいえ、自己発見の先にあるのは、やはり、「就職」の二文字であることには変わりない。(21頁)

 (−。−;) く、首大の未来?