東京ザビヌルごっこ

前回http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20070911/p1とりあげたザビヌル氏の逆配列キーボードのことですが、私が見た逆配列の映像というのは、以前こちらhttp://d.hatena.ne.jp/sarutora/20041024/p2でとりあげた海賊版ぽいDVDの、冒頭の「ブラック・マーケット」の映像でした。で、それはこれです。

中段のキーボードでテーマおよび最初のソロを弾くとき、逆配列になっています。が、後半のソロでは、普通配列にもどっています。切り替えスイッチのようなものがあるようです。
逆配列に対する氏の考えについては、ネット上でちょっと調べた限りはわかりませんでした。この本を読めば書いてありそうな気がします。
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「第16章:〈ブラック・マーケット〉の奇跡と「ミラー・システム」」というところには絶対書いてありそうですが、ちょっと高いので購入ボタンを押すには至りませんでした。そのうち読んでみたいです。
さて、逆配列キーボード、弾いてみたいものですが、キーボードの改造など当然ながらできません。しかし、とりあえず雰囲気を知りたいだけであれば、非常に手っ取り早い方法があります。それは……キーボードを逆さから弾けばいいのです。どういう風にやるか、というのを説明するために(明らかにこんなことをしている暇などないにもかかわらず)midiでカラオケを作って、それをバックに実際に弾いてみました。曲はその「ブラック・マーケット」です。テンポはちょっと遅くしてありますが……。

実際に弾いてみたところ、決まったフレーズであれば、練習すれば一応は弾けます。ただ、非常に面白い感覚が味わえました。まさに鏡を見ながら文字を書くような感じというか。
追記:
DVDをよく見ていて、はたと気がついた。
キーボードを単純に逆さから見た場合、白鍵と黒鍵の並び方は、上下を考えずに左右だけ見れば、同じく
〜□■□■□□■□■□■□□■□■□〜
のようになります。
で、これを普通の鍵盤と見立てると、並びから言って見た目ドの鍵というのは、実際にはミの鍵、ということになります(えーと説明はややこしいのですがそうなります)。
ところが、どうやらザビヌル氏は、ドの鍵を中心にして配列を逆に設定しているようです。つまり、ドの鍵は同じくドの音が出ますが、右の方に行くと、レの鍵はシbの音、ミの鍵はラbの音……と音が下がって行き、左の方に行くと、シの鍵はド♯、ラの鍵はレ♯の音……と音が上がっていく……という具合になっているようです。
というわけで、より見た目ザビヌルっぽくするためには、見た目ドの鍵(つまり実際はミの鍵)を弾いたときに実音でドの音がでるようにしなければならないのです。つまり、長3度低くトランスポーズしなければならないのです*1
というわけで……作り直すかな(笑)
追記2:
いろいろ考えると、これは、数学的というか哲学的というか、ちょっと面白いですね。
例えば、私のように逆から、ないし鏡に映して鍵盤を弾くと、レの音とソ♯の音が変わらなくて、他の音は変化します。それは、鍵盤の並びのシンメトリーの中心が、レの鍵とソ♯の鍵だからです。
ところが、ザビヌル氏のようにドの鍵を中心に反転させると、シンメトリックな反転にはならなくなってしまいます。だから、厳密に空間的な反転としての「ミラー・システム」を作るなら、本当はレ(およびソ♯)を中心に反転させるべきではないか、と思うのです。ドを中心にしたのは、ザビヌル氏がハ音を中心とする西洋音楽中心主義にとらわれていたということではないか? と、亡くなっていなければザビヌル先生に問い詰めたいが……。その前に例の本を読まないといけないかな。
追記3:
と、いうかですね。ハ長調の音階というの自体が、シンメトリックではない音階なのですね。そして、白鍵を使った音階で唯一シンメトリックなのが、レを中心音にした音階、すなわちDドリアンなわけです。つまり、レ(D)を中心にして、上がっても下がっても、全・半・全・全・全・半・全という音程になります。て、今頃気づいたのか、と言われそうですが。
あ、やっぱりwikipediaにも書いてある。ドリア旋法

ドリア旋法は対称的な構成をしており、全音と半音の並び方が全-半-全-全-全-半-全となっている。

*1:えと、この説明、さっぱりわからないと思いますが、わたしもほぼわからず書いています。すいません。