ニュースの見出し

「花子と太郎の夫婦は、家事の分担について話し合った」
 と、いう文を読んだ人は、ほぼ間違いなく「花子と太郎は、二人のどちらが風呂掃除をするのか、とか、ゴミだしをするのか、というような話をした*1」のか、と思うだろう。
 ところが、実はその解釈は間違いで、花子と太郎が話し合っていたのは、自分たちの家事分担についてではなく、お隣の山田さん夫婦の家事の分担についてであった、としたらどうだろうか。たいていの人は、そんなむちゃくちゃな、不親切な文にもほどがある、と怒るだろう。それだったら「花子と太郎の夫婦は、お隣の山田さん夫婦の家事の分担について話し合った」て書けよ、と怒るだろう。
 ていうか、そんなおせっかいな話合いする前に、自分のところの家事分担の話しろよ、と思うだろう。

 ところで、今日のNHKニュースの見出しにこんなのがあった。
「日米韓 核放棄へ連携で一致」
 まあ、この文を普通の日本語として素直に読めば、「日米韓」は、「核放棄」と「連携で一致」の両方にかかるととるのが自然だと思う。つまり、「日米韓が核放棄する」のであり、そのことについてこの三国が「連携で一致」した、ととるのが自然であろう。
 ところが、この文をそうとるのはどうも間違いらしい。「日米韓」がかかるのは「連携で一致」のみであって、「核放棄」の主語は、この文のどこにも書いていない「北朝鮮」という語であるらしい。
 「わかるかよ!そんなもん!」
 とNHKに抗議する人は……いねーだろうな。

日米韓3か国の首脳会談は、2002年にメキシコで開かれたAPEC首脳会議以来、4年ぶりに実現し、北朝鮮の核開発問題などをめぐって意見が交わされました。会談の冒頭でブッシュ大統領は「アメリカの国益のためにも東アジア地域の安定が重要だ」と述べました。これに対し、安倍総理大臣とノ・ムヒョン大統領は「日米韓3か国が地域の安定と繁栄のために緊密に連携することが重要だという認識を共有している」と述べ、北朝鮮の核開発をめぐる6か国協議で、核開発の放棄に向けた具体的な成果を得るため、3か国が引き続き連携して取り組むことで一致しました。ただ、ノ・ムヒョン大統領が「北朝鮮に対しては、対話のための努力と圧力を適切に組み込み、中国とも調整をする必要がある」と述べたのに対し、安倍総理大臣が「6か国協議では早期に具体的な成果を得る必要がある。引き続き北朝鮮に圧力をかけていく必要がある」と述べ、対話を重視する韓国と、圧力に傾く日本との温度差をうかがわせました。
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/11/19/k20061118000178.html

*1:そのような話し合いをするシチュエーションにないので発想が貧困ですいません。