今回は、ほぼ原作第4巻でした。あいかわらず細かいところも原作どおりにしていて原作ファンはにやっとするところだらけでしたが、しかも今回はエピソード順の入れ替えもほとんどなかったような。今回は、入れ替えより省略がやや目立ちました。一つは、松風の子ども時代の回想シーン。波佐見との出会いが省略されていましたが、今後どこかで出てくるのでしょうか。もう一つは、林川家の過去を描くシーン。いろいろ省略されていましたが、この林川家の話は、やや込み入っていて、原作を読んだ時、私は読み返さないとぱっと頭に入ってこなかったです。なので、ドラマの場合あのぐらい省略するのが正解なのかもしれません。
唯一、原作と大きく(というほどでもないのですが)変わっているところ、としては、今回初登場の松風の父、久世正勝の年齢です。原作4巻のラストは、赤沢が、松風が久世の息子であることを知るシーンです。そこで赤沢は久世のことを思い出すのですが、そのときの赤沢の脳内の久世のセリフは、原作では「赤沢さん、私はずっと見てますよ」なのですが、ドラマでは、同じシーンが「赤沢、俺はずっと見てるぞ」に変わっていました。ここからは、ちょっとネタバレというか次回の話の先取りに一部なってしまうのですが、原作では、久世はかつて赤沢の部下(ないし後輩)だった、という設定なので、久世のセリフは「赤沢さん」になっています。しかし、ドラマでは、逆に赤沢が久世の部下だった、という設定になっているのかもしれません。だから「赤沢」となっているのだと思います。そう推測するのは、俳優の年齢からでもあります。赤沢役の藤本隆宏さんは1970年生まれの54歳ですが、久世役の篠井英介さんは1958年生まれの66歳です。原作どおりだとすると、次回のドラマで赤沢と久世の過去を描くシーンが出てくるはずなのですが、別の俳優を使うのでなければ、久世が赤沢の部下だとちょっと無理があると思います。ただ、ちょっとおかしいな、と思うのが、久世が窃盗の疑いで懲戒免職になったニュースの画面、当時の久世の年齢が、ドラマでは「30代」原作は「34歳」となっています。次回、66歳の篠井英介さんが、回想シーンで30代の警官を演じるのでしょうか。篠井さんには失礼かもしれませんが、それはそれでちょっと無理があるような……。まあでも、今回久世の妻、つまり松風の母も、10歳くらいの松風とともに回想シーンで登場しましたが、当時おそらく30代という設定の母を演じていたのは、篠井英介さんと同じ1958年生まれ66歳の宮崎美子さんだったので、なんとかなるのかもしれません。
また、原作では赤沢と久世の年齢ははっきりと書かれていなかったような気がするのですが、もしドラマ版の世界で俳優の年齢と同じだとすると、赤沢と久世が同僚だったころは32年前、ならば当時赤沢は22歳ぐらい、つまりほんとの新人警官だった、ということになります。だとすると、次回出てくるはずの過去の赤沢のエピソード、これもちょっと無理があるような気がするのですが。
と思ったら、ドラマ版で秋貞が赤沢に見せる久世についての資料に、久世の生年月日と、窃盗事件発生の年が書いてあるのが読めました(漫画版の場合、資料の文字は読めません)。それによると、久世は1959年11月9日生まれの65歳(篠井英介さんの現実の年齢の1歳下でした)、窃盗事件発生は1999年、ということです。ならば、窃盗事件当時久世は39歳〜40歳です。ニュース画面が「30代」になっていたということは、39歳で確定ですね。ということはドラマ版の久世は漫画版の久世よりも5歳年上、ということになります。またもしドラマ版赤沢が藤本隆宏さんと同じ1970年生まれならば、1999年に彼は28歳〜29歳ということですね。
まあとにかく次回、赤沢と久世の関係がどう描かれるのか、ちょっと注目してみてみたいと思います。
あ、あと、阿南が謎の男と会話するシーンと、ドラマラストで心麦が久世とすれ違っていた、というシーン、これは原作にはなかったです。それから、原作では、京子が出来上がった唐揚げを心麦のアパートに持っていく、だったのが、ドラマでは心麦のアパートで京子と心麦が唐揚げを調理する、に変わっていましたね。