- 大衆が小泉を支持している
- ゆえに小泉を批判することは大衆を批判することである
- 小泉を批判しているのは大衆を見下すエリート(知識人)である
- 私は大衆を支持し大衆の感性を信じる
- ゆえに私は小泉を支持する
と、いうような感じで小泉支持を表明する人もいる。ネット上では、例えばこちらの意見もそれに近いと思う。
これは、言うならば「庶民の味覚を信じる派」である。「ジャンクフードは体に悪いとか、自然食品が良いんだとかいうお上品ぶった知識人はしゃらくさい、オレはジャンクフード大好きな奴の感性を信じる」というような感じだろうか。一般論としてならば、これには賛成である。「大衆」をバカにし見下しているような「知識人」など、徹底的に軽蔑し、コケにしてやればいい。
だがそもそも、小泉に関して、「知識人」と「大衆」の感性がどうの、といった(お上品な)議論をしている場合なのだろうか?
そもそも小泉は庶民なのか? 二世議員のボンボンではないか? 「プロ庶民」ではないか。竹中しかり、ホリエモンしかりである。
「下品といわれようと庶民の味覚の味方をする」というのは結構だが、小泉らは下品かもしれないが庶民でもなんでもない。
というわけであえて下品なたとえを繰り返すと、「ウ○コか食い物か」という選択に、「庶民の味かグルメか」という議論を当てはめてしまう事自体が、マスコミ消臭剤によって決定的に味覚を狂わされてしまった結果であるとしか思えない。
小泉政権自体が、自らを支持する層をIQが低い層、「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層」(B層)と位置づけているではないか。つまり大衆をバカにしているではないか。ところが、そういうことは、ウ○コのCMの製作会社であるマスコミは全く報じないのである。
小泉を支持するということは、庶民を支持するどころか、金持ちを支持することである。彼らは、自分たちはグルメな料理に舌鼓を打ちながら、庶民には食糧危機を煽ってウ○コを食わせ、平然としているのである。
そのくせ、「大衆食堂」ていう看板を掛けて、CMをたれながしておけば、バカな大衆は騙されるとたかをくくっているのである。さらに、自分たちに反対するもののことは「あいつらは大衆の敵だ」と言っておけば、バカな大衆は自分の方につく、とたかをくくっているのである。いったい誰が大衆をバカにしているのか。
第一、小泉を批判したとたんに「知識人」にされてしまうのであればたまらない。「ウ○コを食べると危険だよ」と言うと、「何?お前は庶民の味のカレーをバカにするのか?」と言われるのでは、話がまったくかみ合わない。
「大衆を支持するのか知識人を支持するのか」という選択肢を立てておいて、「大衆を支持する」と言えばたしかにかっこよく見えるかもしれない。だが、「大衆を支持する」と言いながら、結局「大衆をバカにする知識人」(竹中なんてまさにそうだろう)を支持しているというのでは、なんだか悲しくなってしまうのである。「大衆が支持しているものを支持すること」が「大衆を支持すること」だとはかぎらない。(もうちょっとつづく)
(参考)
今回はテレビ局が中立をかなぐり捨てて、どの番組のどの解説者も「小泉構造改革」を礼賛し、「郵政民営化断行」を絶叫し続けている。放送法第3条違反どころではなく、もはや完全に金正日独裁政権の朝鮮中央テレビ状態だ。ファシズムの国の中にいるようである。これほどテレビが「小泉支持」一色で塗り固めたら、どれほど民主的な選挙制度があっても、政治環境は全体主義国家と同じだろう。最初から投票すべき「正義」と投票してはいけない「悪役」が決められた選挙だからである。デマとトリックで世論が圧縮されて一方的に選択誘導される選挙。正常な理性と常識を取り戻して考えれば、小泉政治の四年間は、これ以上ない悪政が続いた四年間で、国民の収入は減り、負担は増えて、生活は苦しくなっただけなのに、それを「改革の道半ば」と賛美している。生活苦とは縁のない年収数千万円とか一億円とかのマスコミ人がテレビの電波で「小泉改革」を宣伝している。
一連の政治報道を見ながら、わが国のメディアは小泉首相と運命を共にしてきたのだなあとつくづく思い知らされた。政治記者、政治評論家、そしてそれら出演させる政治番組は、すべて小泉首相に同情的だ。小泉首相の人気が高どまりのまま4年間も続いたのは、まさに彼らの報道姿勢がつくりあげた結果であったのだ。 彼らは小泉首相の失政や醜聞については殆どこれを無視して報道をしてこなかった一方で、小泉首相の好感度をあげるようなパフォーマンスについては大きくこれを報道した。小泉首相を批判する政治家を悪者に仕立て上げた。その結果としての小泉人気であった。その姿勢は、権力の絶頂にあって傲慢さのゆえに墓穴を掘った小泉首相を前にしても、変わっていない。 とくに7日朝の田原総一郎(サンデープロジェクト)はひどかった。反小泉の急先鋒である亀井静香に、解散が嫌なら何故法案に賛成しないのかと食ってかかっていた。さすがの亀井も、「司会者が小泉首相の肩を持つのはおかしい」と気色ばんでいた。