諸星大二郎『碁娘伝』他

近所の本屋の漫画コーナーを流していると、時々諸星大二郎の新刊を発見するので、気が抜けません。3月はこれを見つけました。

私家版魚類図譜
諸星 大二郎
講談社 (2007.3)
通常24時間以内に発送します。
ところが、この本を読んで、2003年にこういうのも出ていたことを知りました。
私家版鳥類図譜 1
諸星 大二郎
講談社 (2003.3)
通常24時間以内に発送します。
これの発売は見逃していました……。
さらには、こちらhttp://d.hatena.ne.jp/sarutora/20060224/p1で記事を書いたグリム童話シリーズも、去年の11月第2巻が出ました。
スノウホワイト
諸星 大二郎著
東京創元社 (2006.11)
通常2-3日以内に発送します。
2005年には、中国もののシリーズ『諸怪志異』の第4巻が出ました。
諸怪志異 4
諸怪志異 4
posted with 簡単リンクくん at 2007. 6.28
諸星 大二郎
双葉社 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。
このシリーズは、1989年に第一巻、1991年に第2巻が出ています。私は1・2巻をまとめて読んで非常に面白くて、続きを楽しみにしていたのですが、続きの第3巻が出たのは8年後!の1999年。そして、その7年後に第4巻が出た、というわけです(笑)。私は第3巻が出たのを見逃して、3・4巻をまとめて読んだのですが、このシリーズ、1・2巻は読みきり短編集だったのですが、3巻あたりから、五行先生と燕見鬼*1が主人公の長編ものに変わっていました。で、まだ続いています。次はまた7年か8年後でしょうか……。しかし、こんなに間があくとフォローするのが大変です。
さて、すごく長い前置きだったのですが、最近、また別の漫画が発売されているのを発見しました。それがこれです。
碁娘伝
碁娘伝
posted with 簡単リンクくん at 2007. 6.27
諸星 大二郎著
潮出版社 (2007.6)
通常24時間以内に発送します。
これは2001年に単行本で出たものの文庫化のようです。この単行本も見逃していましたが*2これはまた『諸怪志異』とは別の中国もののシリーズです。それにしても進行中なだけでいったいいくつのシリーズがあるのでしょうか? で、この『碁娘伝(ごじょうでん)』も、これまた、著者の博学が大いに発揮された*3ファンにはたまらない一作です。いやー、諸星先生の中国ものは(も)面白いなあ。
さて、『碁娘伝』には、碁娘という、囲碁と剣の達人の、美貌の殺し屋が主人公*4の、4つの物語が収録されています*5。ところがこのシリーズ、第1話が雑誌に発表されたのは1985年なのですが、第2話が発表されたのは8年後!の1993年、第3話はそのまた7年後の2000年(第4話はわりと近くて2001年ですが)という具合です……。やっぱり7・8年おき。あとがきで先生はさすがに「僕の本はなんだかそういうものが多いみたいです」と書いています。
にもかかわらず、通読しても全然違和感がないというのがまたすごい。第1話を書いたとき先生は30代、第4話のときは50代です。なのに、絵柄やテンションが全然変わってない。時代というか時間を超越してますね。このまま7・8年おきに同じテンションで書き続けて、気がついたら100年ぐらいたっていた、という諸星先生の漫画のようなことが起こりそうな気さえします。大河シリーズ、ていうより、彗星シリーズ、て感じですね。フォローするのが大変ではありますが(笑)続きを楽しみに待ちたいと思います。

*1:2巻あたりで阿鬼として出てきた子供が成長してこの名前になった。

*2:見逃してばっかりだ

*3:これ日本語としておかしいかな。

*4:文庫版帯では梅沢由香里が推薦文書いてます。

*5:本当は「碁」という漢字は中国にはないようなのだがあえて「碁娘」にした、などのウンチクがあとがきにはいっぱい書かれています。