20年ぐらい前、はてなブログ(の前身のはてなダイアリー)をはじめたころ(ついこの間のような気がしますが)東京都多摩市の永山というところに住んでいました。当時、近所の川(多摩川の支流の大栗川の更に支流の乞田川という小さな川)によくカモの観察に行っていました。そのころ乞田川には毎年冬になると、かなりの数のカモが渡ってきていました。一番多かったのはオナガガモだったように思いますが、あとは、マガモとコガモ、そして留鳥のカルガモ。基本的にこの4種類ですが、合わせて何十羽ものカモが永山駅周辺の乞田川にはひしめいていました。その後数年して、護岸工事の影響ではないかと私は思っているのですが、ほとんどカモが渡ってこなくなり、悲しかったです。
カモの数がピークだった2002年の年末、乞田川で見慣れない一羽のカモを発見し、調べるとトモエガモという珍しいカモだということがわかり、興奮して毎日のように観察しました。トモエガモは結局数ヶ月滞在していましたが、主にトモエガモの撮影をするために中古で一眼レフと望遠レンズを買ってしまったほどです……。翌2003年にはトモエガモは乞田川には飛来しなかったのですが、2004年の11月に再び現れました。そのころ興奮して書いたアホな記事です。
正直、そこまで興奮するほどなのかはわかっていなかったのですが、絶滅危惧種というのは確かでしたし、井の頭公園に飛来したというのがニュースになっていたような記憶もあるので、このトモエガモがそこそこ珍しいカモであるのは確かだったと思います。
ところが、先日たまたまこのニュースが目に入り、思わず「ええええ?!」と声が出てしまいました。
20年前たった一羽で大興奮していたトモエガモが、く、黒い塊?!卒倒しそうですね……。記事にもありますが、近年増加しているとのことです。それにしても、諫早湾だけで35万羽ですと?!さ、さんじゅうごまん?!
というわけでざっと調べてみましたが、やはりトモエガモは近年急増しているようです。
上の記事にあるように、ちょうど私が乞田川で観察していた2004年は、最も少なかった時期らしく、全国で2000羽しか飛来しなかったようです。ちなみにカモ類全体は全国で毎年180万羽も来ます。やはり乞田川にいたのはかなりレアだったのではないでしょうか。そして、17万というのは、昨冬の全国の数字です。いやいや、この冬は諫早湾だけでその倍の35万も来ているわけでしょう?20年で100倍以上に飛来数が増えたということになります。例のごとく温暖化が原因かとも言われているようで、単純に喜ばしいこととはとても言えなそうですね。
まあそれはともかく、20年前に撮影した乞田川のトモエガモの勇姿を再掲しておきます。
こちらは当時乞田川で撮影した動画です。