こんなものジャズじゃない!
大学生のころ、開局したばかりのJ-WAVEをよく聴いていて、そこでパット・メセニー・グループの曲がしょちゅうかかっていたのだが、好きになれなかった。ジャズと言えばフォービート、という凝り固まったリスナーだったのだので、いわゆる「フュージョン」に対して、「こんなものジャズじゃない!」ぐらいの勢いで嫌悪していた時期があったのだ。しかし、だいぶあと、1990年代になってから、周りの人の影響やなんかで、「フュージョン」とひとくくりに敬遠していたいろいろな音楽を聞きなおし、そうした偏見は少しずつなくなっていった。ハービー・ハンコックの「アクチュアル・プルーフ」を友人に聞かせてもらって「なんだこれ?!」と思ったあたりからはじまり、チック・コリアのRTF、ジョン・スコフィールド、などにはまり、ウェザーリポートや電化マイルスのもの凄さを20年以上遅れて再確認した時期があった。
それでもパット・メセニーはどうも今一つピンとこなかった。周囲のジャズファンにあまりにもてはやされているような気がして、それに対する反発もあったかもしれない。しかし数年前、いまさらもいいところだが、80年代あたりの全盛期のメセニー・グループも集中的に聴きなおした。……メセニーファンのみなさん、すいませんでした。やっぱりかっこいいと思いました。自分がどんどんフツーのジャズファンになって行くようで、それはそれで面白くないと思ったりもするが……。
こんなものアメリカじゃない!
前置きが長くなったが、最近、パット・メセニーが、自身のfacebookに、ある投稿をした(https://www.facebook.com/PatMetheny/videos/10154416371239926/)
そこでパット(本人?)は、「Remember this song?(この曲覚えてるかい?)」というコメントだけを付けて、パットとデビッド・ボウイが競作し1985年に発表された「This is Not America(これはアメリカではない)」という曲のPVを貼り付けていた*1。
*1:この曲は、同年制作のアメリカ映画『コードネームはファルコン』(原題:The Falcon and the Snowman)の主題歌として作られた。パット(とライル・メイズ)は映画本編の音楽も担当しているようである。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AF%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B3