こうの史代『こっこさん』

こっこさん

こっこさん

 買い出しに行ったついでに、「風邪ひいて寝ながら読むのに良い読後感の良いマンガ」を買おうと思って、上記の本を買ったのですが、これがまた、これ以上ないというどんぴしゃの選択でした。われながら大満足です。私のように『夕凪の街桜の国』で作者を知って、この本を買う人けっこういるんだろうなあ……と思いつつ。
 作者後書きで「巧く書く」のをめざした、みたいなこと書いてありましたが、確かに巧いです。とにかく、風邪をひいた人は買って下さい。私が宣伝しなくても売れそうだけど。
 で、何十頁かしたところで始めて明らかになるのですが、主人公の少女の名字、私と同じなんです。私の名字は、意外とめずらしくて、今まで、漫画、いや小説や映画も含めて、フィクションの主人公で自分と同じ名字、というの、始めて遭遇したかもしれません。漫画家だと有名な方でお二方ほどいらっしゃいますがね*1。こういうのって、何か、変な感じがするもんですね。鈴木とか佐藤という名字の方ならめずらしくもないんでしょうが。しかし、考えてみればこの漫画の場合、私は主人公(小学4〜5年生)のお父さんであっても全然不思議はない歳なわけで、その辺でもなんか変な感じ、ではあります。主人公の家族もみんないい感じですが、友人のチクリン、ていう子のキャラがなかなか味があっていいです。

*1:今調べたら「あかね」という方もいらっしゃるようですが知りませんでした