とりあえず(あとで考える)

 政党の目標は政権を取ることなのだから、投票した党が政権を取れなかったら「失敗」である。投票した党が政権を取ったら「成功」なのだから意味がある。

 そうではない。政党というものは政権を取らなくても働き、機能している。その機能の強さを拮抗させて、国会での勢力バランスをとることが、投票者の目標だ。

あの政党は妥協して政権を取ろうとしないから駄目だ、という台詞もまま聞きます。が、そうでもないのです。
 政党は政権を取らなくても機能しています。
 具体的には10議席、20議席、50議席閾値があります。
 10議席で代表質問権、および党首討論参加権が取れます。突っ込みのきつい党がこれを持っていると、その応対を報道されるプレッシャーが生じ、うかつにへぼいことがしにくくなります。
 20議席で議案提出権が取れます。理想主義の党がこれを持っていると理想ばかり見た議案を提出するので、政権党はある程度それに対応した議案を作らなければならなくなります。これもプレッシャーといえますが、別の言い方でいうと、政権党を妥協させる効果があります。
 50議席で予算付議案提出権が取れます。野党がこれを持って、政権党の予算案に対案を提出すると、それらを基準として審議が戦われることになり、「対案がない、これしかない」という甘えや傲慢が減ります。
 政権を取っていない党もけっこう役に立ったり邪魔したりしているのです。
(追記)
 9議席の党の機能が足りないと思ったら、10議席にすればよろしい。どうもよくわからないのが、たとえばその10議席でいえば、現に10議席取れていない党に対して「役に立っていない。だから投票しない。」と言われることのあることだ。  どうも人によっては、政党というのはどこかよそでがんばって議席をとってくるもので、それへ有権者がご褒美に票をあげてやるもののように思っているようだ。それで「どこそこは野党としての価値を失いつつある。だから頼むに値しない」みたいなことを言う。
 そうではない。

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