目次と口上

21世紀も怪物・帝国主義
猿虎・述
インスパイアド・バイ・DK君

目次

これらのエントリーは、今から100年以上前の1901年(明治34年)に発行された、DK君(幸徳伝次郎=幸徳秋水)の最初の著作『廿世紀之怪物 帝国主義』(以下『帝国主義』)の現代語訳、のようなものです。底本としては、山泉進校注の岩波文庫(2004年改版版)を用いました。名文家と言われるDK君の文章を「訳す」というのは、教養のない私は力不足で、「訳」としてはかなりテキトーなものしかできそうにありません。また、「全訳」はたぶんしません。というわけで、むしろこれは「訳」というより、DK君の本にインスパイアされたオマージュでありリスペクトでありパクリだ、ということにしようと思います。一応元の本の著作権保護期間は切れているはずですが、そうでなかったとしてもDK君はこうした試みを理解してくれるのではないかと思います。というのも、岩波文庫版の山泉進氏の解説にあるように、DK君の『帝国主義』自体が、同時代イギリスの評論家ロバートソンによる1899年の著書『愛国心と帝国』の「パクリ」の面があったそうなのです。DK君の『帝国主義』は、ロバートソンの本と章立てが同じであり、多くの箇所がロバートソンの本から引用されているそうです。DK君は、『帝国主義』の表紙に、「幸徳秋水「著」」とはせずに「幸徳秋水「述」」と書いているのですが、それもそういう意味ではないか、と山泉氏は推測しています。
DK君の『帝国主義』は、ホブソンの『帝国主義論』(1902年)やレーニンの『帝国主義』(1917年)に先立つ先駆的な著書とされていますが、大逆事件で国家によって殺されたDK君のこの本は、1910年に発禁処分とされました。再び公刊されたのは1952年になってから、ということです。山泉氏の解説によると、現在この本の英訳や仏訳も進行中とのことです。
初版本は、国立国会図書館のページから画像で読むことができます。

帝国主義
帝国主義
posted with 簡単リンクくん at 2007. 5.31
幸徳 秋水著 / 山泉 進校注
岩波書店 (2004.6)
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TN君の伝記
TN君の伝記
posted with 簡単リンクくん at 2007. 5.31
なだ いなだ作 / 司 修
福音館書店 (2002.9)
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