テレビは普段見ていないのだが、最近京急線の快特車両にはテレビがついていて、ときどきＮＨＫのニュースを流す。というわけで今日はたまたまそれを見た。まず最初のニュースがこれ（ＮＨＫのサイトから引用）
債権回収で省庁に改善を勧告
国立病院の診療費など、国に納めるはずの金を滞納している人に、省庁やその出先機関が督促状を送るなどの決められた手続きを行わないまま回収できなくなっているケースが多いことがわかり、総務省はすべての省庁に改善を求める勧告を行いました。
総務省の行政評価局は、国の省庁や出先機関のうち１９５の機関などについて、公的な債務を滞納している人に債権の回収を適切に行っているか調査を行いました。その結果、国立病院の診療費を収入がないとして滞納している患者の資産調査を病院が行っていなかったり、道路のガードレールなどを交通事故で壊した人に国道事務所が弁済の督促状をまったく送っていなかったりするなど、問題のある事例が多数見つかりました。さらに、督促をしないまま時効を迎えて債権が回収できなくなったり、滞納者の財産を差し押さえる請求を裁判所に行っていなかったりするケースもありました。国が回収できていない債権は、平成１７年度の一般会計だけで２５億５０００万円に上っており、総務省は２９日、債権管理に関するマニュアルを整備したり、職員の研修を充実させたりするなどの改善を求める勧告をすべての省庁に行いました。これについて、菅総務大臣は閣議後の会見で、「債権は国民の財産であり、認識を改めるよう促したい」と述べました。
まったくあきれた人たちだ。誰かって？もちろん政府とNHKではないですよ。滞納している非国民に決まってるではないですか。国立病院の診療費を滞納している人でしょ？しかも「収入がない」と自己申告している人でしょ？そんな、絵に描いたような困っているどうしようもない人に対してだな、「こいつは本当に収入ないのか？」と調べろと。きびしく督促し、取り立てろ、と。まったく、品格のある美しい国だな！しかも、それを、まったく無批判にトップニュースで伝えるＮＨＫ。美しい国の美しいＮＨＫだ！「一般会計だけで２５億５０００万円に上っており」という表現がすごい。
ていうか、その資産調査だの、督促だの、マニュアル整備だの、職員研修とやらに、いったいいくらかかるのだろうか。まあそういう金は美しい国のお役人たちが「国民の財産」を守るために使う金だから、当然「無駄」であろうはずがない。無収入の「非国民」に使われる医療費は、もちろん「無駄」に決まってるがな。
さて、次のニュースがまた傑作だ。
皇后さま 「御給桑」の行事に
皇后さまは、皇居で育てている蚕に桑の葉を与える「御給桑」と呼ばれる伝統行事に臨まれました。皇室では明治時代から、毎年、歴代の皇后が蚕を育てています。
皇后さまは２９日、皇居にある蚕の飼育施設の「御養蚕所」に出かけられました。皇后さまは、蚕の世話をしている担当者から餌となる桑の葉が入ったかごを受け取ったあと、蚕を見て「大きくなりましたね」と述べられました。そして、桑を少しずつ手にとって体長５センチほどに育った蚕の上にていねいにかぶせていかれました。「御養蚕所」で育てられているのは、国産の「小石丸」など３種類の蚕で、来月上旬には繭を作り始めるということです。とれた生糸は、正倉院の絹織物の復元や宮内庁が所蔵する絵巻物の修復に利用されるほか、外国の賓客への贈り物などにも使われるということです。
美しいね！美しい国の「お虫さま」は、皇后さまにやさしい言葉をかけていただいて、てづからおいしいご飯を食べさせていただけるというわけだ。「あーん」て。虫けら以下の「非国民」はその辺でのたれ死んでろ、ですよ。
で、宮内庁の予算ていうのがいくらぐらいかっていうと、今年度１９１億円で、皇室費だけで７０億円に上っております。人件費・事務費の宮内庁費は１２１億円です。*1……ていうか、ここを廃止したら全部解決するんじゃないの？ とりあえず皇室費だけで、困っている人たち「非国民」の滞納分は、４０億円以上おつりがくるんだけど。
やれやれ、とあきれて日刊ゲンダイを見たら
投入される税金は１０００億円！
の見出しが。何かって言うと、例の年金問題への「対策」に使われる費用だという。
政府の内部試算では「電話相談」に２０億円、５０００万件の照合プログラムに１０億円、記録通知に６０億円─ざっと総額９０億円。しかしこれでも見積もりが低すぎる。１億人に年金記録を通知するだけで、往復の郵便代は１００億円だ。〔その他大量投入されている電話オペーレーターの人件費など、計上されていない費用はどこまで膨らむか見当もつかない〕（……）
「（……）政府は口を閉ざしているが、約１０００億円かかります」（関係者）
……桁が違うね。認識を改めた。なんたって「国民の財産」だもんね。こういう重要なことに使ってもらわなきゃ。
で、このニュースは、ＮＨＫではたぶんやってなかった、という今日この頃なのだ（風に、なんだか今日はなったのだ）
*1:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik/2002-09-21/14_1201faq.htmlいや、ぐぐったらたまたまここが出てきたんで。
