13 そんなセッションな その3(ニコが来た)

※2005年春のフランス旅行記です。
もうひっぱりすぎですよね……。自分でも思います。
えー、というわけで、来ました。ニコが。
ニコは、背の高いヨーロッパ系の男性でした。黒っぽいコートを着て、山高帽のような帽子をかぶっていました。年齢は、30代でしょうか。店に入ってきたニコは、なんかおびえたような目つきで店内をキョロキョロ見回していたような気がします。で、準備をするために奥の楽屋のようなところに入っていきました。しかし楽器をもっている様子がなかったので、ピアノなのかな、と思っていたのですが……。
しばらくして、ニコが出てきました。衣装を着て。……ん?衣装? えーとなんか、蝶ネクタイに燕尾服、山高帽、みたいな、そう、まさにチャップリンみたいな格好だったように思います。あれ? と思っているうちに、セッション?が始まったようです。で、楽器は? と思ったのですが、ん? 何か黒っぽいケースのようなものを手に持っています。そして彼は、ケースの中から何かを取り出しました。……いやな予感がしました(笑)彼は、ケースから銀色の小さな円盤をとりだし、それを店員に手渡しました! 店員は、それをCDプレーヤーに入れた! そして、音楽が流れ始めました。
うーん、広い意味ではジャズなのかもしれませんが、1930年代の映画音楽、という感じでしょうか。その古臭いアレンジのオーケストラのカラオケCDにのって、ニコが歌い始めました。タップダンスみたいな振り付きで。
……えーと、微妙に、ていうかかなり音痴です(笑)。ニコは何枚もカラオケCDをもっていて、それを次々に店員に渡して歌います。さて、数曲歌ったところで、もう一人の歌手が登場しました。するとそれは、ニコと一緒に店に入ってきた小柄な金髪の若い女性でした。彼女も衣装に着替えていたのですが、その衣装というのは……真っ赤なレザーのホットパンツ+網タイツみたいな感じでした。彼女も振りつきで歌いだしましたが、彼女のほうがよほど音程はしっかりしていました。しかし、ジャズの歌い方ではまったくありませんでしたね。
何曲か聴いていたのですが、どう考えても、ジャズのセッションにつながる要素はまったくなさそうだったので、途中で帰ることにしました。支払いをするとき、店員が申し訳なさそうな顔で、あらかじめ払っていたセッション参加費を返してくれたような気がします(この辺記憶あいまいなのですが)。
まあでも、面白いものがみられたので、楽しかったです(いや、実はニコは有名な人なのかもしれないし)。
で、まだつづきます(すいません)。つぎは、ついに、普通のセッションをやっている別の店に行った話です。