赤ポスト

よいこのみなさん!
ぼくはきょう、かながわけんで、ある私鉄(してつ)の電車にのっていました。すると、すぐそばに立っていたおじいさんが、『週刊新潮』(しゅうかんしんちょう)というしゅうかんしを読みはじめました。
電車はけっこう混んでいて、おじいさんはぼくのすぐそばにいたので、なんの記事を読んでいるか、つい見てしまいました。
すると、このような見出しがつぎつぎと私の目に入ってきました。

新聞が書けない「四川大地震」の真実
「帰れ!」と罵声を浴びせられた「日本の援助隊」
80時間後の「女性救出」感動場面は「ヤラセ」か
「隠しカメラ」が暴いた「義援金」愛国運動の大ウソ
救援物資は「ボランティア窃盗団」「横流し」で消える
「3万人兵士」が隠蔽する「核施設とダム」被害
「大地震発生」でも帰国しなかった「北京日報」訪日団

http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20080522/

おじいさんは、このような排外主義(はいがいしゅぎ)をあおるさいていの記事を、なめるように読んでいるのです。
あんまりにヒドいので、ぼくは逆上(ぎゃくじょう)し、「こんなもの読むな!」とさけびながら、雑誌をおじいさんからうばいとると、床にたたきおとして、ふみつけ


ることができたらどんなにつうかいだろうか、と思いながら、せいしんてきくつうにたえながら電車にのっていました。
ぼくのような政治的しんじょうをもっていると、このようなひどいポリ・ハラ(ポリティカル・ハラスメント)を受けることがしばしばあります。
さらに、数時間あとのことです。ぼくがラーメンやさんでおそいゆうしょくをとっていると、となりにすわったおじさんが、しょうがやきていしょくを注文したあと、マンガをよみはじめました。
これまたとなりなのでつい見えてしまいます。
すると、それはなんと、『課長島耕作』(かちょうしまこうさく)の、しかも、英語ばんなのです。
まつしたせいけいじゅくの講師をやったり、あべないかくの「美しい国づくり」プロジェクトの委員になったり、しじゅほうしょうとやらまで受けている弘兼憲史(ひろかねけんし)なるマンガかが書いている『課長島耕作』を読んでいるというだけでうんざりなのに、このおじさんは、おそらく「グローバル化じだいに島耕作で英語をべんきょうしてかちぐみになろう!」などと思っているのです。
いちにち二度までもポリハラを受けるとは、きょうはついていない日です。
こんなとき、ぼくは、あの赤ポストのことを思いだしました。
よいこのみんなは、赤ポストのことは知っているかな?
赤ポストというのは、『週刊新潮』や、『課長島耕作』のような、反動的(はんどうてき)な悪書(あくしょ)をついほうするために、革命(かくめい)をめざすおともだちが、まちのなかにせっちしている、ポストなんだ。
反動的な、せいふの御用団体は、白ポストというのをせっちしているのだけれど(「白」が反動勢力をしょうちょうする色であることは、よいこのみんなも知っているよね?)かくめいをめざすおともだちは、それを、ひそかに赤ポストにおきかえるかつどうを、おこなっているんだ(「赤」が革命をしょうちょうする色であることも、もちろん知っているよね?)。
ただし、このおともだちの、だんたいは、ひごうほうのちかそしきなので、おもてだってかつどうすることはできない。
さて、ここからが、よいこのみんなへの、おねがいだ。
まちなかで、『週刊新潮』や、『課長島耕作』や、『産経新聞』(さんけいしんぶん)や、『週刊文春』(しゅうかんぶんしゅん)や、『朝日新聞』(あさひしんぶん)や……つまり、すべての新聞や週刊誌(と一部のマンガ)を見つけたら、それを、おじさんやおばさん、おじいさんやおばあさんの目にふれさせないように、赤ポストに入れてほしいんだ。
おじさんやおばさん、おじいさんやおばあさんは、反動的なせいふの御用メディアによって、すでに、せんのうされ、ぐみん化され、どれい化されてしまっているのだけど、かれらがこれいじょうぐみん化することを、すこしでもくいとめるために、みんなに、きょうりょくしてもらいたいんだ。
赤ポストは、まちなかのあちこちにあるので、さがせばすぐみつかるよ!
ただ、赤ポストは、せいふの手下にみつかって、てっきょされてしまわないように、ゆうびんのポストであるふりをしている(ぎそうしている)から、ちゅういしてくれたまえ。
よいこのみなさん、反動御用メディアによる、じんみんのぐみん化さくどうにたいするたたかいに、いまこそたちあがろう!