虫革派

 ときどき見かけるこのポスター、あまりにレトロな趣なので笑ってしまうのだが、まずはご覧ください(京ぽんのカメラはいまいち貧弱なので見づらいのですが)。

 見えづらいけど、ヘルメットには「過激派」と書いてある。そのまんますぎでしょう(笑)。それはともかく、私は最初にこれを見たとき「なんか虫みたいだな……」と思った。それもそのはずで、よく見たら、このポスターは、街に潜んでいる過激派をまさに「虫メガネ」で探し出している絵なのだった。
 「なんか虫っぽいな」と思ったと同時に、「なんかオタクっぽいな」とも思った。さらにいえば、右下のアヤシイ男なんか、盗聴を表現しているんだろうが*1、なんかこの人が直接電波を受信しているみたいな絵になっている。て、電波系かよ……。
 つまり「反社会的存在」というのは、大体そういうイメージなんだろうな。M君のような「オタク」は、幼女にまつわる妄想電波を受信していて、カゲキハは、共産主義とかいう妄想電波を受信している。そういう気持ち悪い虫をシラミつぶしに探し出して、取り除かなくてはならない。つまりデバッグか。それが、社会の防衛ということなのだろう。反社会的存在というのは、何か「外部」の巨大な組織とつながっている「敵」、とかそういうイメージではなくて、「内部」に沸いて出た欠陥品とか不良品みたいなイメージなのではないか。
 カゲキハに関して言えば、ある意味「虫」程度にしか思われてないんだな、というのがちょっと哀れに思えないでもない。この人たちが「革命」を起すかもしれないとか、社会を「転覆」させるかもしれない、なんて誰も恐れてもいない。単に不気味がられてるだけ……ならまだしも、最近は、「カゲキハ?何それ」て人もいそう。いや絶対いるだろう。

*1:実際のところは、どっちかっていうと盗聴するのは警察のほうなわけだけどねー。