まず、下の記事を見てみてください。これは、ネットにある時事通信のニュースです。
低所得層ほど保険料負担増に＝厚労省説明と食い違い−後期医療調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080604-00000133-jij-pol
6月4日19時1分配信 時事通信
厚生労働省は4日、国民健康保険（国保）から後期高齢者医療制度（長寿医療制度）へ移行した75歳以上の保険料負担の増減について、実態調査結果を公表した。69％の世帯で保険料負担は減少するものの、負担が下がる世帯の割合は高所得層ほど高く、「一般的な傾向として低所得層は負担減となり、高所得層は負担増となる」との同省の従来の説明とは食い違う結果となった。（……）（強調引用者）
はい、よく見ましたね。別に、そんなにややこしい記事ではありませんね。
さて、では、この同じ事柄を、ＮＨＫのニュースではどのように伝えたか、というと？
高齢者の保険料 ７０％が安く
http://www.nhk.or.jp/news/k10015041781000.html
6月4日 19時27分
厚生労働省は、７５歳以上を対象にした後期高齢者医療制度の導入に伴って、高齢者の保険料の負担がどうなったかを調べた実態調査を公表し、７０％近くの世帯がこれまでより保険料が安くなっているとみられることがわかりました。一方、所得が低い世帯のほうが、高い世帯よりも負担が増えた割合が高かったことが明らかになりました。（……）（強調引用者）
一応、低所得層ほど保険料負担増の割合が多いということを伝えてはいるのですが、それは後半に回して、見出しにも入っていません。7割減ということをメインにして、どうにかしてごまかしたい、という気持ちだけはひしひしと伝わってきて、ニュースを見たとき非常に不自然でした。まあ、これは、ほほえましいですな、という感じです。
そして、これはもう読む前からわかっていますが、産経ではどうかって言うと…。
厚労省「７割下がった」 高齢者医療、保険料実態調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080604-00000088-san-pol
6月4日8時4分配信 産経新聞
７５歳以上が対象の後期高齢者医療制度（長寿医療制度）の対象者約１３００万人のうち、新たに保険料徴収対象となったサラリーマンの扶養家族だった約２００万人を除く約１１００万人の７割ほどが、従来の老人保健制度からの移行に伴い、４月からの保険料が下がっていたことが３日、厚生労働省の実態調査で分かった。政府高官が同日、明らかにした。
後期高齢者医療制度をめぐっては、これまで「新制度で保険料が上がった」との批判が多かったが、実態調査結果を見る限り、大多数の高齢者の保険料は下がっていたわけで、政府・与党が検討している運用改善策や後期高齢者医療制度廃止法案の審議にも影響を与えそうだ。（……）
一方、こちらはごまかすどころか、低所得層ほど保険料負担増の割合が多い、という問題には（省略した部分も含めて）触れてさえいませんね。
※ただし、ほかのが4日夜の配信で産経は午前なので、ひょっとすると続報で伝えている、ということもあるのでしょうかね。ご存知の方は教えてください（たぶんないような気もしますが）
