空念仏万歳

いや別に「いつか来た道」だの「軍靴の響き」だのと空念仏を唱える趣味はない。*1

 いや別に、他人の趣味についてとやかく言うような趣味はない、のですが……また、前後の文章をまったく読んでいない*2のにあれこれ言うのもなんなんですが、えーと、ちょっと反応してしまいました。
「空念仏」キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!
……ていうか、いまどき、反戦的言説の例として「いつか来た道」「軍靴の響き」って、あまりに発想が貧困すぎではないでしょうか。いやその前に、「空念仏」という言葉自体が、古くさすぎ。
 たぶん、とりあえず「ボクはああいうバカな反戦派とは違いますから」と付け加えておけば、ちょっとカシコイと思ってくれるだろう、てことで、ぽろっと書いちゃったんでしょうね。しかしいくら朝日の読者だからって*3それはあまりにバカにしすぎというものではないでしょうか。というか、コイズミ君の「テロとの戦い」だの「改革の本丸」だののバ○の一つ覚えこそ空念仏もいいとこではないかと思うのですが。
 ……なーんて、ちょっと山崎氏を揶揄するようなことを書いてしまいましたが、id:miyutomo2さんが引用して下さった部分の全体*4を読めば、山崎氏の文章は「一国の安全保障や危機管理に関わる覚悟」を訴えるような言説に対する違和感を表明していて、そうした「勇ましい」言説というのが、ア○シンゾーや、ア○萌え族らの、征韓論、じゃない北朝鮮制裁論のようなものを指しているのは明白です。

(前略)そういえば最近、マスコミでもネットでもやけに軽々と「覚悟」を口にするひとが増えた気がする。「親になる覚悟」くらいならまだしも、一国の安全保障や危機管理に関わる覚悟となると、聞き捨ててばかりもいられない。曰く「日本人には覚悟がない」「日本はそろそろ覚悟を決めるべきだ」。そうおっしゃる当人も日本人だと思われるんだが、とにかく勇ましい。いや別に「いつか来た道」だの「軍靴の響き」だのと空念仏を唱える趣味はない。ただそれを「日本人という他人」に強いる前に、彼らだけがすでに決めたらしい覚悟の内容を、もっと具体的に教えていただきたいものだ。(後略)

 つまり、この文章は、反戦か好戦か、といえばまあ反戦の文章なわけです。確かにずいぶん及び腰ではありますが*5。しかしほんとに勇気がなければ、このような文章を朝日に載せることすらできないわけで。というわけで、山崎氏のこの勇気ある及び腰に対して、断固たる支持を控えめに表明させていただきたいと思います*6

*1:id:miyutomo2さんがコメント欄で引用して下さった朝日夕刊での山崎浩一氏の文章より。

*2:さらにいえば、私最近の山崎浩一氏の文章ってまったく読んでません。

*3:あのもちろん冗談ですから

*4:「部分の全体」て変ですが。朝日(というか新聞)とってないので全体の全体は未だに未読です。

*5:しかし文章の主旨からして、氏は、それこそ覚悟の上で「覚悟を決めないこと」を選択しているのでしょうね

*6:て余計イヤミなようですが、いやマジで。