2 墓

 で、空港(シャルルドゴール空港)からバスに乗ってパリへ。最初パリに二泊します(その後ルーアンの語学学校に行った)。ところが、私が日本でネット予約をしたホテルというのは、パリではなく郊外の、ルイユマルメゾンという所です。安かったのでそこにしたのですが、ちょっとパリから遠い。で、まず空港バスを使って凱旋門のあたりまで行って、勝手がわからないのでそこからタクシーで行くことにしました。タクシーの運転手はたぶん中国人の人の良さそうな若い男性で、大変わかりやすいフランス語。まさに片言のフランス語で、けっこうコミュニケーションがとれました。「どこから来た?」「日本」「ああ!日本とても金持ち」「でも私金持ち違う(笑)」「パリ寒い。先週雪。日本寒い同じ?」「日本寒い同じ。でもフランスより寒くない」という感じ。
 ホテルについたのは3月11日(金)夜8時頃ですが、周りは真っ暗。
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どう考えても何か店が近くにあるような雰囲気ではなく、とてもお腹がすいていたのですが、部屋の冷蔵庫にあったチョコとビールを飲んですぐ寝てしまいました。翌日は、朝食を食べた後、超初級会話を駆使してフロントの人に道を聞き(単にまっすぐ歩いていくだけだったのでよかった)駅に向かいました。3月と言っても日本より寒いというのを想定して厚着していったのですが、天気がいいこともあってそんなに寒くない。拍子抜けでした。駅についたら、まずPCF(フランス共産党)のポスターを発見しました。ニッキョー(日共)ならぬブッキョー(仏共)です。

 右が仏共で、左が別のサヨク団体のポスターです。共に欧州憲法反対のポスターです。フランスにはサヨクのポスターが非常に多く、たくさん写真もとったので今度まとめて紹介します。
 試行錯誤しながら自動販売機で切符を買い、RER(パリ郊外と市内を結ぶ電車網)に乗りました。車体は落書きだらけ。こういうのは日本ではあり得ない。パリ市内でメトロ(地下鉄)に乗り換えて、まず向かったのは、モンパルナス墓地です。サルトルの墓参りです。で、フランスは駅から出るのに切符は要らない。これはちょっと慣れないととまどいますね。
 サルトルボーヴォワールの墓は入り口のすぐ近くの、とてもわかりやすいところにありました。……ていうか、墓石が変わってる!少なくとも数年前、id:t-b-sさんに撮ってもらった写真(『図解雑学サルトル』p.235)と、名前と生没年が書いてある垂直の石の形と大きさが明らかに違います(大きくなってる)。

 なんだか、だんだん墓がでかくなっていくなんて、サルトル的じゃなくて嫌だなあ。とかなんとかいいながら、日本から持ってきた『図解雑学サルトル』を墓に置いて写真を撮ったりした、バカな私です。モンパルナス墓地は、他にも有名人の墓があるので一応ちょっと見てみました。ボードレールとか、ゲンズブールとか、トリスタン・ツァラとか。

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が、まあ所詮墓ですから、特に感慨もわかず。ハカハカしい、ではなくバカバカしいからそろそろ帰ろうかと思って、サルトルの墓の前に行ったら、なんと『図サル』がすでに無い。誰か持っていったのか、はたまた管理人に回収されたのか。
 墓を出たら、通りで、市みたいなのをやっていました。すると、ハトを発見。日本と全く同じドバト。風景はまったく違うのに、ハトは日本とまったく同じなので妙に面白い。
 次はサンジェルマン・デプレに向かいます。