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 日本貿易振興機構ジェトロ)が「フランスにおける日本アニメを中心とするコンテンツの浸透状況という報告書を出しているようですね(リンク先の一番下にPDFがあります)。とりあえずざっと読んだだところ、なるほど、という感じで興味深いです。
 アニメに関しては、70年から日本アニメは放送されていて、1978年にANTENNE2ではじまったアニメ紹介番組で「グレンタイザー」(78年)、「キャンディ・キャンディ」(79年)、「キャプテン・ハーロック」(79年)などが紹介され、特に「グレンタイザー」は主題歌が100万枚以上を売り上げるというヒットとなったということです。ところがその後、日本アニメは「暴力的」という批判が起こり、90年代半ばにはほとんど放送されなくなったとか。しかし最近では99年の「ポケモン」放送をきっかけに再び日本アニメ放送が盛んになっているそうです。が、規制の影響で、他の欧州諸国に比べて放送時間は少な目だそうです。で、昨日のコメント欄で書いた「線路がないところでも走れる機関車みたいなのにのって少女が父親と旅してる、ていうような最近制作の日本アニメ」もこの報告書であっさりわかりました。「明日のナージャ」です。ちなみに少女は孤児という設定で、父親だと思ったのは旅芸人一座の団長だそうです。
 さて、マンガに関しては、やはりフランスは世界有数の日本マンガ市場だとういことです。「2004年のマンガの売上は7,240万ユーロ、1,070万冊(18ページ)」ということで、アメリカとほぼ同じ売り上げだそうです(フランスの人口はアメリカの5分の1)。翻訳される点数も多く、仏訳が始まった10年ほど前にはせいぜい年間20件程度であったのが「2003年には521件、2004年には754件と急増した(フランス漫画批評家協会)(19ページ)」のだそうです。ここまで流行ったのは、皮肉なことに90年代に日本のアニメ放送が禁止されたからだそうで、日本アニメを観られないファンが言葉もわからないまま日本のマンガを読み始めたのだそうです。89年には大友克洋の「AKIRA」の仏訳版が出版され、これは部数はそれほどではなかったそうなのですが、91年に出版した「ドラゴン・ボール」が大ヒットとなったとか。95年には、ドラゴン・ボールの右開き版(日本と同じ版)が出版されたそうです(19ページ)。現在は43.4%の市場がTOP10タイトルで占められている。20ページには、TOP10のリストがありますが、やはり「NARUTO」は「ドラゴンボール(12.7%)」に次いで第二位(5.0%)のようです。しかし、ドラゴンボール12.7パーセントですかあ……。3位以下は、「遊戯王4.2%」「シャーマンキング4.0%」「ラブひな3.6%」「サムライディーパーKYO3.5%」「GTO3.1%」「ONE PIECE2.7%」「るろうに剣心2.3%」「ハンター×ハンター2.3%」となってます。
 関係ないですが、この報告書、お堅い報告書と思いきや、内容が内容だからか、15ページに「(笑)」という表現が地の文でいきなり出てきて、びっくりました(笑)