聞くところによると、法人税率や所得税率が高いと企業や金持ちが海外に流出してしまうから、法人税を減税し所得税の累進度を緩めねばならないんだそうである。なんたる愛国心の欠如！ 別に食うに困るわけでもないのに、ちょっと税金が高いからといって祖国を捨てるとはなんたる売国奴！ 福祉の対象となるような人間は移民してもらった方がむしろお国のためであるから、愛国心（教育）が必要なのは金持ちおよび金持ち予備軍であろう。にもかかわらず金持ちが「減税しないと日本を捨てるぞ」と言うと（というより、実際に言われる前に先取りして）「すんません、税率下げます」とへりくだり、たいして税金納めてない人間には「国を愛せ」と要求するのだからなんとも倒錯したはなしである。
あちらのコメント欄にも書いたのですが、愛の形は金で表される、ということなんでしょうね。こんなにも国を愛している（＝税金を払っている）のに報われないなら、別れるぞ、と。つまり国を愛しているからこそ税金を払っているわけで、愛がなければ自分で全部つかってるよ、と。で、貧乏人や福祉受給者は、国に愛されている（国から金をもらっている）だけで、国を愛する能力（金を払う能力）がないんだから、せめて言葉や態度で愛を表せ、と。だから愛国心じゃなくてほんとは愛国金なんですよ。
