平和的なデモを鎮圧しちゃいけないんだぞぉ〜!!

風邪をひいて変な時間に寝てしまったので、変な時間に起きて日テレの早朝ニュースを見ていた。するとこのニュース

国連がミャンマー決議を採択 デモ鎮圧を強く非難
2007.12.22 23:48
 国連総会本会議は22日、ミャンマー軍事政権が9月下旬に大規模な反政府デモの武力鎮圧をしたことを「強く非難」する人権決議案を賛成83、反対22、棄権47で採択した。日米は賛成、ミャンマー、中国、北朝鮮などが反対した。
 決議に法的拘束力はないが、192カ国が参加する国連総会の意思を反映、軍政に民主化を迫る圧力となる。ミャンマー問題を担当する国連のガンバリ特別顧問は来月、同国を再訪問する予定で、軍政と民主化勢力の対話仲介に努める考え。
 決議は、国民の人権や基本的自由に対する組織的侵害が継続していることに「深刻な懸念」を表明。軍政に対し、自宅軟禁中の民主化指導者アウン・サン・スー・チーさんら政治犯の速やかな解放を求めた。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/asia/071222/asi0712222348002-n1.htm

を伝えていた。日テレのニュースでは、上の記事と表現が少し違っていた。「反政府デモの武力鎮圧」のところは、「平和的なデモの武力鎮圧」と付け加えて強調していた。さらに、反対した国については「ミャンマー軍事政権とつながりのある中国、ロシア*1などが反対した」となっていた。なるほど。ご親切なことだ。
で、今年2月、大阪長居公園で、野宿者たちを、大阪市が暴力的に排除する、という事件があったが、そのニュースを伝える際、野宿者、支援者たちの抗議行動に「平和的な」という形容詞をくっつけたニュースは、おそらくなかった。それどころか、これは私が録画したTBSの「ピンポン」だが、参考映像として流された世界バラ会議の時の強制排除の映像に対して、スクラムを組む野宿者(おそらく)の一人が「お前ら〜何こそこそしとるんじゃあごらああ!!!」というドスのきいた声を上げる場面を、わざわざセリフ字幕つきて流した。さらにその後、やはり一人の野宿者が「どけえごらああ!!!」と叫びながら警備員に飛び掛っている「ように見える」映像を、これまたわざわざセリフ字幕つきで流した。もひとつおまけに、平和的に?バラを観賞している人々の映像の後に、「バラ会議はんた〜い!!」とハンドマイクでシュプレヒコールを挙げる野宿者支援者のデモの映像をわざわざ流した。
ま、それはいいでしょう。さてところで、2006年8月、イスラエルレバノンを攻撃し、多くの子供を含む大量の市民を虐殺した。彼ら彼女ら市民が、「平和的な」生活を送っていただけのことは明らかだろう。で、国連人権理事会は、レバノン情勢に関する特別会合を開き、イスラエルレバノン攻撃を重大な人権侵害だと非難する決議を採択した*2
イスラム諸国が提案したこの決議に、理事国47カ国中、中国を含む27カ国が賛成票を投じた。ところがこれに11カ国が反対した。ご推察の通りこの11カ国の中にわが日本も含まれている。イスラエル政府や、それを支持するアメリカ政府と「つながりのある」日本もね。
(参考→ http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20060821/p2

*1:でもその後で、プーチンと柔道の山下が交流したとかいうニュースを平気で流すんだから、なんだかねー。

*2:http://www.hurights.or.jp/news/0608/b07.html