かってに改蔵

 1999年に第一巻が出ていて、すでに完結している。いまさらながらもいいとこなのでしょうが、いまさらながら、『かってに改蔵』という漫画を読み始めました。なるほど。たしかになかなか面白いですね。ただ、「改造人間だと思いこんでいる」という最初の設定は、とても面白いのに、ほとんどもう第2話からその設定はどうでもよくなって、改蔵は単なる変なヤツ、ということになってしまっているのがちょっと残念なようにも思う。が、まあそこらへんのいい加減さがこの漫画の魅力でもあるのだろうけど……というような感想も、おそらく激しくいまさらなものなのでしょうが、まあそれはおいといて……。
 2巻11話の、「イッツァ・スモールハート」というのがとても面白かった。回転寿司で注文できない男としては、激しく身につまされながら読んだ。
 立ち食いそば屋で小心度を判定すると言われた改蔵は、なるべく小心ぽく振る舞おうとするのだが、判定は「全然だめです。それじゃただの挙動不審です。」アウトのポイントは、店を出るときにおどおどしながら「ご、ごちそうさま」と言ってしまったこと。「小心者は、ごちそうさまなどと言えないのです!」一方、同じく判定試験で無言で立ち食いそばやを出た地丹くんは、号泣しながら「ボクだって言おう言おうと思ってたんだ でも、言えなかったんだ」。これは合格。「それでいいのです。葛藤の末言えないのが小心者。単に言わないのでは、無礼者です(171頁)」あははは。*1
 最近気がついたのですが、電車から順番に降りるとき、いつも、私が降りようとする瞬間に、ホームで待っていた人が乗ってくるような気がするのです。これは、私が、「こいつは降りるのを待たないでいい」というマイナスのオーラを発しているからではないか……と思ったのですが、そう思ってその後も観察を進めていると、どうも、数珠繋ぎで降車する人がいるときは、ホームで待っている人は、だいたい最後の一人あたりで待ちきれなくなって乗り込もうとする、という傾向があるようです。と、いうことは、問題は、私はいつも降車する人の列の一番後ろについてしまう、ということにあるのではないだろうか。などとどうでもいいことを考えている師走です。ちょっと酔っぱらってます。

*1:ちなみに私は……言ってますが、かなりおどおどしていると思います。