野球応援のおもひで

 前書いたように私の出身高校は、県立の普通科高校だったが、都立高校のような自由さはなかったにせよ、わりあいとのんびりした雰囲気だったと思う。
 ところで、野球の応援で忘れられない出来事がある。あるとき、わが校の応援団の諸君が、とても斬新な応援方法を考えた。その日の対戦相手は農林高校だったのだが、応援団の諸君は、試合会場に数学の問題集を持っていったのである。当時、難しいとかなんとか言われていた「オリジナル」、とかいう黒い表紙の問題集だったと思う。そんなものをどうするかというと、応援団の諸君、試合中にその問題集を取り出すと、一斉にそれを相手側の応援席に向かってかざし、こう叫んだのである。「お前らに、この問題集が、解けるかあ〜!」*1なにやら毛語録をかざす紅衛兵の図のようであるが、本人たちも、オリジナルな「ネタ」を思いついたこと、ちょっとイケナイことを実行した「やったった感」で、興奮気味、周囲の生徒(の一部)も大喜び、みたいな感じだったと思う。ちょっといけないサベツ的なこと、でも「みんな」が思ってるホンネを、(反対側の応援席という、直接相手から見えない遠〜いところからだけど)「言ったった!」俺ってヒーロー?みたいな。
 今ならネット上でうんざりするほど見かけるこういう人、昔(25年前)からいたんですよ。

*1:といっている諸君(いや私もですが)が、全然解けていなかったんで、ちょっとは自嘲も含めてたのかもしれないけど、いずれにせよ、いわゆる偏差値をめぐる差別ネタ、嘲笑ネタのつもりだったのは確かでしょう。あと、肝心の野球部が弱かったのもしょっぱい感じ。野球は弱くてもウチのガッコは頭はイインダ!と言いたかったんだろうな。ああ、恥ずかしい。