あること

 8年前の今日、2014年3月29日、東日本入国管理センター(牛久)でイラン人男性が死亡しました。そして、8年前の明日、2014年3月30日にも、同じ東日本入国管理センターでカメルーン人男性が死亡しています。2014年3月には、牛久入管センターで二日連続で死者が出ているのです。異常な事態であるとしか言えませんが、センターは二人の死亡事件の直後、司法解剖も終わっておらず死因の特定もできていない段階で、またもや「現時点で処遇について問題は無かった」とコメントしています。日本の報道は刑事事件などで逮捕された人をその段階で実名報道をするなど問題がありますが、一方で公権力に対しては、事件直後に「問題がなかった」などと断言する、何の根拠もない無責任な責任者の発言を論評もせずそのまま垂れ流してしまいます。これも問題があると思います。2014年3月30日のカメルーン人の死亡については明日詳細を書く予定ですが、3月29日に亡くなったイラン人男性(当時33才)は、前日28日の夜7時半頃夕食をのどにつかえさせ、救急車で運ばれたが、3月29日15時26分に搬送先病院で死亡したということです。この方は牛久センターに収容される前に横浜入管に収容されており、その時私は面会をしていたので、ショックでした。
 二人の死亡事件の後、関東仮放免者の会とBOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)の二団体が牛久センターに申し入れを行いましたが(こちらを参照してください http://praj-praj.blogspot.com/2014/04/2.html )その際のセンター総務課の態度もひどいものでした。亡くなったイラン人男性Sさんが喉に食べ物を詰まらせたことについての今後の原因追究を求めたところ、総務係長は「それ(食べ物をのどに詰まらせて窒息死すること)はあることでしょう」と何度も繰り返し発言したということです。連日二人が死亡していること、33歳の男性が食事に喉を詰まらせて死亡すること、という異常な事件が起こったまさにそのさなか、「あることでしょう」などと責任者が平然と発言する。これは、入管という組織の実態、またその責任者たちの意識がどのようなものであるのかを、如実にあらわしていると思います。
 2014年には、このあと11月にも、品川入管でスリランカ人の死亡事件が起こっています。一年に3人もの死亡事件を起こすことも異常ですが、入管ではさらにその後5人もの死亡事が起こっています。こんな組織が普通にそのまま今にいたるまで存続しているということ自体が、異常なことです。
 もう一つ気になるのは、入管における死亡事件が3月に偏っていることです。3月だけで6人もの方が亡くなっています。
3月6日(2021年)名古屋入管でウィシュマさん死亡
3月21日(2009年)東京入国管理局(品川)で中国人男性自殺
3月22日(2010年)成田空港で強制送還中ガーナ人男性死亡
3月25日(2017年)東日本入国管理センター(牛久)でベトナム人男性死亡
3月29日(2014年)東日本入国管理センター(牛久)でイラン人男性死亡
3月30日(2014年)東日本入国管理センター(牛久)でカメルーン人男性死亡