2007-01-01から1年間の記事一覧

サルトル=PHS

先日、「○○、携帯かけてるんだけどつながんないんだよ」「あいつ、PHSだろ」という会話を、またもや耳にしました。 PHSというのは、やはりいまだにそういうイメージですね。つまり、「つながらない」「使えない」というイメージです。 実は私はDDI…

ジョルジュ・ソレル『暴力論』第4章 プロレタリア・ストライキ 第2節(抄訳)

マルクス主義を完成するためになされた諸研究 いまや我々はさらに先に進み、ゼネストによって示される絵〔タブロー〕が本当に完全なものなのか、すなわち、現代の社会主義によって認められた闘争のすべての要素を含んでいるかということを問う必要がある。し…

※青字はベンヤミンに引用された箇所

ジョルジュ・ソレル『暴力論』第4章 プロレタリア・ストライキ 第1節

第4章 第1節 プロレタリア暴力に関わる思想を正確に説明しようとするたびに、われわれはゼネストという概念に連れ戻される。 しかし、この概念は、他の多くのことにも役立つし、社会主義のあいまいな部分について思わぬ光を与えてくれる。第一章の終わりで、…

ジョルジュ・ソレル『暴力論』(1908)について

秋水の「私の思想の変化」の一年後、1908年年に出版されたジョルジュ・ソレルの有名な本『暴力論』(直訳だと『暴力についての考察』)の超部分訳を、何回かに分けて載せます。ソレルについての辞書的な記述としては Sorel,Georges 1847〜1922 フランスの社…

朝日ソノラマ

購読していたマンガ雑誌といえば、先日朝日ソノラマの廃業が発表されたとき書こうと思っていたのですが、『マンガ少年』ですね。子供のころ毎号購読したことのあるマンガ雑誌はこれだけだと思います。76年9月創刊だそうです。こちらに表紙の写真がありま…

メディア・バトン訂正

先日、近所の本屋に行ったときに、「そういえばそろそろ出てるのかな」と思って、月刊のマンガ雑誌がならんでいるコーナーに行ってみると、ありました。『コミックビーム』が。というわけで、いつものように、それを手にとってレジの方に向かう途中……気がつ…

13 そんなセッションな その3(ニコが来た)

※2005年春のフランス旅行記です。 もうひっぱりすぎですよね……。自分でも思います。 えー、というわけで、来ました。ニコが。 ニコは、背の高いヨーロッパ系の男性でした。黒っぽいコートを着て、山高帽のような帽子をかぶっていました。年齢は、30代…

12 そんなセッションな2(ニコを待ちながら)

※2005年春のフランス旅行記です。 http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20070517/p1のつづき というわけで、カードゲームに興じる店員を横目に、セッションがはじまるのを待っていたのですが、一向にはじまらない、というか、一向に客がこない。 で、肝心の…

メディア・バトン

めずらしくバトンというのがきたので答えてみます。 1. 購読紙 なし 2. 購読誌 なし 3. 視聴テレビ・ラジオ番組 なし 4. 最近のYouTubeマイベスト3 あんまり見ない 5. 視聴インターネットラジオ ジャズのやつをたまに 6. 視聴Podcast デイリーポータルZラジ…

美しいニポンのNHK

テレビは普段見ていないのだが、最近京急線の快特車両にはテレビがついていて、ときどきNHKのニュースを流す。というわけで今日はたまたまそれを見た。まず最初のニュースがこれ(NHKのサイトから引用) 債権回収で省庁に改善を勧告 国立病院の診療費…

直接行動論と秋水とサルトル その1

前回の幸徳秋水の文章の掲載http://d.hatena.ne.jp/zarudora/20070627/1182965454は、いささか唐突なものに見えたかもしれない。実は単に私は、シンプルで力強く魅力的なあの文章を読んで素直に面白いと思った、というだけの話だ。 しかし、秋水の直接行動論…

諸星大二郎『碁娘伝』他

近所の本屋の漫画コーナーを流していると、時々諸星大二郎の新刊を発見するので、気が抜けません。3月はこれを見つけました。私家版魚類図譜posted with 簡単リンクくん at 2007. 6.28諸星 大二郎講談社 (2007.3)通常24時間以内に発送します。オンライン書店…

幸徳秋水「私の思想の変化(普通選挙について)」(1907年)

※よみやすくするため、原文の語句、語尾などをかなり改変しています。原文はこちらhttp://www.ne.jp/asahi/anarchy/anarchy/data/koutoku03.html#11*1 一 私は正直に告白する。私の社会主義運動の手段と方針に関する意見は、一昨年の入獄*2当時より少し変化…

諸星大二郎『碁娘伝』他

近所の本屋の漫画コーナーを流していると、時々諸星大二郎の新刊を発見するので、気が抜けません。3月はこれを見つけました。私家版魚類図譜posted with 簡単リンクくん at 2007. 6.28諸星 大二郎講談社 (2007.3)通常24時間以内に発送します。オンライン書店…

委任状

某大学大教室での授業前に学生さんが来て、ちょっと話をさせてくれ、という。学生自治会の人のようだ。マイクを貸すと、このようなことを言った。 ○月○日に学生大会があります。 なので、委任状を書いてください。 今から用紙をくばります。授業後に回収しま…

第2章愛国心について その5

目次と口上へ 一転してドイツの話 今度はイギリスから離れてドイツの話をしましょう。ナチスドイツの話ではなく、もっと時代を遡って19世紀の話です。プロイセン主導によるドイツ統一を推進し、鉄血宰相といわれたビスマルクは、まさに愛国心の権化でした。…

第2章 愛国心について その4

目次と口上へ 外国人への憎悪 自分を愛しなさい(つまり他人を憎みなさい)。同郷の人を愛しなさい(つまり他郷の人を憎みなさい)。神の国日本を愛しなさい(つまり中国や韓国を憎みなさい)……。愛すべき人のために憎むべき人をやっつける。これを名づけて…

第2章愛国心について その3

目次と口上へ ローマの愛国心 古代ローマの詩人ホラティウスは「すべては、党派ではなく国家のために」と言ったそうです。しかし、このようなスローガンが通用したのは、古代ローマ人たちに、党派を利用する知恵がなかったからでした。そして彼らが国家のた…

目次と口上

21世紀も怪物・帝国主義 猿虎・述 インスパイアド・バイ・DK君 目次 『帝国主義』に序す(内村鑑三) 例言三則 第1章 緒言 第2章 愛国心について その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 第3章 軍国主義について その1 その2 その3 その4 その5 その6 …

第2章 愛国心について その2

目次と口上へ 愛国心と惻隠・共感 目の前で子供が井戸に落ちそうになっているのを見たなら、誰でもためらわずに救けに駆け寄るでしょう。もし愛国心が、こうした子供を救おうとするような共感(シンパシー)、惻隠の気持ち、慈善の心と同じものであるならば…

第2章 愛国心について その1

目次と口上へ 帝国主義者の叫び 「美しい国、日本。」 「竹島はわが国固有の領土である」「子供たちが自国の歴史に誇りを持てる歴史教育を」「自国の国旗国歌への敬意、尊重の気持ちを涵養することは極めて大事」……帝国主義者たちはこう叫びます。彼らは自分…

11 そんなセッションな その1

フランスに行ったら、せっかくだからフランスのジャズクラブでジャムセッションに参加してみたい、と思っていました。ご存じない方ために説明しますと、「ジャムセッション」(単に「セッション」と言われることもある)とは、ミュージシャンが集まって、観…

食育から食史へ

「食育」がどうの、という人々は、かならず「規則正しい食事」と「毎朝朝食を」などと言うようだ。 参照>http://d.hatena.ne.jp/sava95/20061124/p2 「食育」を主張する人たちは、たぶん、グローバリゼーションとファーストフードの蔓延などを憂い、伝統的…

「サルトル嫌悪」を超えて*1

J.-P.サルトル著『家の馬鹿息子3』書評 『週刊読書人』2007年3月2日号掲載http://www.dokushojin.co.jp/70302.html ■家(うち)の馬鹿息子がやっと出たよ。 ▲ほう、三留してたお前のアホ息子、やっと大学を卒業したんかいな? ■いや、サルトルのだよ。 ▲へえ…

10 信号機たち

フランス人は信号を守らない、という話はフランスに行く前もちょっと聞いたことがありました。実際に行ってみると、本当にそうでした。 というか、日本で「信号無視」というと、「信号を見ながらあえて違反する」か「信号を見落とす」という意味かどちらかだ…

9 フェカンとエトルタ

飽きた、といいながら地図を作ったりしてしまいました*1。 というわけで、前回書いたように、ルーアンからルアーヴル行きの電車に乗り、ブレオテ・ブーズヴィルで電車を乗り換えて、まずフェカンに行きました。フェカンからバスでエトルタに向かい、帰りは、…

8 ルアーヴルとブレオテ・ブーズヴィル

もうすでに飽きてきてる……また中断しそうなので、勢いで続きを書いておきます(笑) 貨物列車に押してもらっているので、スピードもとても遅くなり、結局ルアーヴルについたのは3時半ごろでした*1。 というわけで予定変更でこの日はルアーヴル観光だけで帰る…

7 イヴトー

2年前のフランス旅行の旅行記(1〜3、4〜7)。一年ぐらい前一回更新したけど、このままでは読者(が居るとして)に、というか作者に忘れられてしまうので、また忙しくなる前にとりあえず再開しておきます。で、この機会にflickrというのに登録しました。いい…

合法的なつぶやき

参考:http://katteren.blog97.fc2.com/blog-entry-12.html○「石原慎太郎さんが嫌い。」 ○「石原慎太郎さんには当選してほしくない。」 ○「石原慎太郎さんに知事になってほしくない。」 ○「石原慎太郎さんを支持していない。」 ○「今日はこんなことを考えた…